本記事では階差数列の意味と一般項・和を求める公式についてわかりやすく解説します。
こんな人におすすめ
✓ 階差数列とは何か理解したい人
✓ 階差数列から一般項・和の求め方を理解したい人
✓ 階差数列の問題の解き方のコツを理解したい人
✓ 階差数列で出てくる一般項の公式、漸化式を理解したい人
階差数列とは|一般項を求める公式を徹底解説
階差数列の意味
階差数列とは、「数列の差」を並べた数列です。
言葉だけだと分かりにくいですが、図にするとこんな感じです。

もとの数列 「\(\small 2, \space 5, \space 10, \space 17, \space 26, \space \cdots\)」 は、一見なんの規則性もない数列に見えますが、図のように数列の差に着目すると「\(\small 3, \space 5, \space 7, \space 9, \space \cdots\)」のように規則性のある数列になっています(この例では等差数列ですね)。
このときに着目した数列の差を並べた数列のことを階差数列と言います。
階差数列は、もとの数列のことではないので注意しよう!
階差数列から一般項を求める公式
階差数列からもとの数列の一般項を求める公式は、皆さんご存じ、あのシグマが出てくる複雑な公式です…(-_-;)
✓ 階差数列から一般項を求める公式
数列\(\small \{a_n \}\)の階差数列を\(\small \{b_n\}\)とするとき、一般項 \(\small a_n\)(ただし、\(\small n≧2\))は
$$\small \displaystyle a_n = a_1+\sum_{k=1}^{n-1} b_k$$
で求められる。
まだ、この公式の意味がちんぷんかんぷんな人も大丈夫です。
このあとの章で具体例を交えて分かりやすく解説していきます!
ここでは、階差数列が出てくる問題は、この公式を使って一般項を求めるということだけ覚えておいてください。
公式の意味と覚え方のコツとは?具体例で解説
ここからは、階差数列からもとの数列の一般項を求める公式がなぜあの形になるのかを理解するために、具体例で確認していきます。
今回も冒頭で例に挙げた数列
$$\small 2,\space 5,\space 10,\space 17, \space 26, \space \cdots$$
で考えます。
この数列は、冒頭でも確認したとおり、数列の差(階差数列)に着目すると、
$$\small 3,\space 5,\space 7,\space 11, \space \cdots \quad \color{#ff0055}{◀これが階差数列だね}$$
という等差数列になっています。つまり、階差数列が等差数列になっているわけです。
●まずは具体的な数字で一般項の求め方を確認しよう
例えば、もとの数列\(\small \{a_n\}\)の第5項目を階差数列を使って求める方法を考えてみましょう。
もとの数列の第5項目を求めたければ、初項の2に、「初項~第5項目までの差」を足し算してあげれば計算できますね。

そして、初項~第5項目までの差は、階差数列の初項~第4項目までの和です。
つまり、第5項目の値は、
\begin{split}
\small a_5 &\small = a_1(初項)+\color{#ff0055}{(階差数列の初項~第4項目までの和)}\\
&\small =2 +\color{#ff0055}{ (3+5+7+9)}\\
&\small =26\\
\end{split}
と計算できます。
実はこの計算式の1行目こそが、階差数列から一般項を求める公式なのです。
●具体例を一般化してみよう
もとの数列の第5項目を求めるためには
\(\small a_5=\) 初項+(階差数列の初項~第4項目までの和)
を計算しました。
これを一般化して、第\(\small n\)項目の値 \(\small a_n\)を求める場合も同じように考えてみましょう。
すると、今回の場合は
\(\small a_n=\) 初項+(階差数列の初項~第\(\small n-1\)項目までの和)
になります。図にするとこんな感じです。

【補足】
階差数列の和の項数は、もとの数列の1項目からn項目までの間の項数なので、\(\small n-1\)個と1ズレる点に注意しましょう。
この日本語を数式に直すと、
$$\small \displaystyle a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k$$
となり、冒頭で紹介した階差数列から一般項を求める公式になります。
✓ 等差数列から一般項を求める公式(日本語+図解ver)
もとの数列の\(\small n\)項目 = (初項) + (n項目までの差)
(↑)こんなイメージで理解しておくと分かりやすいかもー(^^)/
公式にn≧2の条件が必要な理由
階差数列から一般項を求める公式をよく見ると、実は「\(\small n≧2\)」という条件が付いています。
なんだか意味深な条件ですね?
でもそんなに恐れなくて大丈夫です。\(\small n\)とは第\(\small n\)項目のように数列の何番目かを表す文字だったので、「\(\small n≧2\)」とは「数列の2番目以降」という意味になります。
つまり、
$$\small \displaystyle a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k$$
が成り立つのは、数列 \(\small a_n\)の第2項目以降だよという条件になります。
これだけだとふーん、という感じですが、これは裏を返すと、第1項目のときは成り立たないよ!ということです。
理由は、この公式の導出過程を考えると分かりやすいです。
前章で、もとの数列の一般項は、初項に差分を足し算することで求めました。つまり、求めたい項は必然的に2項目以降という前提で考えていたことになります。なので、\(\small n≧2\)という条件が出てくるのは当然と言えば当然ですね(笑)。
ちなみに、\(\small n=1\)のときはただの初項なので公式を使うまでもありません。
なので、問題でこの公式を使うときは「\(\small n≧2\)の場合」という断り書きを書く必要があることに注意しましょう。
また、公式を使って求めた一般項は\(\small n≧2\)の場合ですが、\(\small n=1\)を代入しても成り立つなら、「\(\small n≧2\)」という条件は不要ですよね?なので、最後に、\(\small n=1\)でも成り立つか(もとの数列の初項と一致するか)を確認するという論証をします。
少しややこしいですが、論証の意義については、問題編でも解説します。
【問題編】階差数列から一般項を求める問題の解き方
問題一覧
【解答&解説】
解答&解説はこちら
【解答&解説】
解答&解説はこちら
【解答&解説】
解答&解説はこちら
$$\small 4, \space 7, \space 14, \space 25,\space 40,\space 59,\space \cdots$$ [札幌学院大]
【解答&解説】
解答&解説はこちら
【問題1】階差数列が等差数列の場合
今回は、「5,7,9,11,…」という初項が5、公差が2の等差数列になっているので、
階差数列の問題として解くのがよいと判断します。
※差が一定なら等差数列の問題になるね!
階差数列の一般項を\(\small b_k\) [*1]とすると、初項が5、公差が2の等差数列なので、
\begin{split}
&\small b_k = 5+(k-1)\times 2\\
\small ∴ \space &\small b_k = 2k+3 \quad \color{#ff0055}{◀階差数列の一般項}\\
\end{split}
*1:【補足】階差数列の添え字について
階差数列の一般項 \(\small b_k\) の添え字が \(\small n\)ではなく \(\small k\)になっているのは、もとの数列の一般項が\(\small a_n\)の \(\small n\) と区別するためです。添え字の文字自体は「第\(\small n\)項目」という意味をあらわしているだけなので、どんな文字を使っても大丈夫です。
よって、数列 \(\small \{a_n\}\)の一般項は \(\small n≧2\)のとき
\begin{split}
\small a_n &\small = a_1+\sum_{k=1}^{n-1} b_{k}\\
&\small =1+\sum_{k=1}^{n-1} (2k+3) \quad \color{#ff0055}{◀階差数列を代入}\\
&\small =1+2\sum_{k=1}^{n-1}k+\sum_{k=1}^{n-1}3 \quad \color{#ff0055}{◀分配法則を利用}\\
&\small =1+2\cdot \frac{1}{2}(n-1)n+3(n-1) \quad \color{#ff0055}{◀シグマの公式を利用 [*2]}\\
\small ∴ \space a_n &\small =n^2+2n-2 \quad \cdots ①\\
\end{split}
ここで、①に\(\small n=1\)を代入すると
\begin{split}
\small a_1 =1^2+2\cdot 1-2=1\\
\end{split}
となり、数列 \(\small \{a_n\}\)の初項と一致する [*3]。
よって、①は\(\small n=1\)でも成り立つ。
ゆえに、\(\small \color{red}{a_n = n^2+2n-2 \space \cdots 【答】}\).
*2:【補足】シグマの公式の使い方
階差数列の問題では、シグマ公式の和の範囲が「\(\small 1~\color{#ff0055}{n-1}\)まで」になるので、
$$\small \displaystyle \sum_{k=1}^{\color{#ff0055}n} k = \frac{1}{2}\color{#ff0055}n(\color{#ff0055}n+1)$$
の公式で、「\(\small \color{#ff0055}n\)」の部分を「\(\small \color{#ff0055}{n-1}\)」に置き換えればOKです。他の公式を使うときも同じなので覚えておきましょう!
*3:【補足】\(\small n=1\)でも成り立つことの論証の意義
なぜ\(\small n=1\)のときでも成り立つことを確認するのか補足解説します。
公式にn≧2の条件が必要な理由でも解説した通り、
$$\small \displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k$$
は\(\small n≧2\)の場合に成り立つ公式でした。そのため、\(\small n=1\)でも成り立つ保証がありません。なので、\(\small n=1\)を代入して\(\small a_1\)(初項)と一致するかを確認するという論証が必要になります。
【解答】
\(\small n^2+2n-2\)
【問題2】階差数列が等比数列の場合
階差数列が等差数列でも等比数列でも解き方自体は同じです。
階差数列に着目すると、初項1、公比2の等比数列になっている。
よって、階差数列の一般項を\(\small b_k\)とおくと
\begin{split}
&\small b_k = 1\cdot 2^{k-1} \quad \color{#ff0055}{◀等比数列 a_n=a_1r^{n-1}を利用}\\
\small ∴ \space &\small b_k =2^{k-1} \quad \color{#ff0055}{◀階差数列の一般項}\\
\end{split}
よって、数列 \(\small \{a_n\}\)の一般項は \(\small n≧2\)のとき
\begin{split}
\small a_n &\small = a_1+\sum_{k=1}^{n-1} b_{k}\\
&\small =3+\sum_{k=1}^{n-1}2^{k-1} \quad \color{#ff0055}{◀階差数列を代入}\\
&\small =3+\frac{2^{n-1}-1}{2-1} \quad \color{#ff0055}{◀シグマの公式を利用 [*1]}\\
\small ∴ \space a_n &\small =2^{n-1}+2 \quad \cdots ①\\
\end{split}
*1:【補足】等比数列の和の計算のコツ
問題中に出てくる
$$\small \displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}2^{k-1}=1+2+4+\cdots+2^{n-2}$$
は等比数列の和で、
$$\small \displaystyle \sum_{k=1}^{n}ar^{k-1}=\frac{a(r^n-1)}{r-1}$$
という公式で計算できます。
ですが、等比数列の和の範囲が「\(\small 1~n-1\)」になったり、足し算する等比数列が\(\small ar^{k}\)になったりと公式からちょっとずつ変わることで混乱することが多いので、等比数列の和は以下の公式で覚えておくのがおすすめです。
【詳細はこちら👇】
等比数列の一般項と和の公式|意味・導出(証明)・求め方をわかりやすく解説
今回であれば、和の先頭は1(\(\small k=1\))、公比は2、項数は\(\small n-1\)になります。
ここで、①に\(\small n=1\)を代入すると、\(\small a_1 =2^{1-1}+2=3\)となり、問題の初項とも一致する。
ゆえに、\(\small \color{red}{a_n =2^{n-1}+2 \space \cdots【答】}\).
【解答】
\(\small 2^{n-1}+2\)
【問題3】階差数列と漸化式
イメージとしては、『隣り合う項の差=\(\small n\)を含む式』が階差数列の漸化式です。
実際に本問の漸化式を使って2項目以降を求めてみると、漸化式に\(\small n=1,2,3,\cdots\)を代入することで
\begin{split}
&\small a_2-a_1=3 \quad → a_2 =a_1+3=4\\
&\small a_3-a_2=6 \quad → a_3 =a_2+6=10\\
&\small a_4-a_3=9 \quad → a_4 =a_3+9=19\\
\end{split}
と求めることができます。
\begin{cases}
\small a_1=a,\\
\small a_{n+1} – a_{n}=f(n)\\
\end{cases}
で表される数列の一般項 \(\small a_n\)(\(\small n≧2\))は、
$$\small a_n=a+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)$$
隣接する項の差が数列になっていることから、\(\small b_k=3k\)とすると、数列 \(\small \{b_k\}\)は階差数列となる。
よって、\(\small n≧2\)のとき、数列 \(\small \{a_n\}\)の一般項は
\begin{split}
\small a_n &\small =a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\\
&\small =1+\sum_{k=1}^{n-1}3k\\
&\small =1+\frac{3}{2}n(n-1)\\
&\small =\frac{2+3n(n-1)}{2}\\
\small ∴ \space a_n &\small =\frac{3n^2-3n+2}{2} \quad \cdots ①\\
\end{split}
①に\(\small n = 1\)を代入すると、
\begin{split}
\small a_1 &\small =\frac{3\cdot 1^2-3\cdot 1+2}{2}= 1\\
\end{split}
となり、問題の初項と一致する。
よって、\(\small \displaystyle \color{red}{a_n =\frac{3n^2-3n+2}{2} \space \cdots 【答】}\).
【解答】
\(\small \displaystyle a_n =\frac{3n^2-3n+2}{2}\)
【問題4】階差数列と数列の和
$$\small 4, \space 7, \space 14, \space 25,\space 40,\space 59,\space \cdots$$ [札幌学院大]
一般項の和は、シグマを使って
$$\displaystyle \small a_1+a_2+\cdots+a_n=\sum_{k=1}^n a_k$$
と表せるので、シグマの和の公式を利用することで計算できます。
数列の差に着目すると、\(\small 3, \space 7,\space 11,\space 15,\space 19,\cdots\)となっていることから、階差数列は初項3、公差4の等差数列になっている。
よって、階差数列を\(\small b_k\)とすると、
\begin{split}
\small b_k = 3+4(k-1)=4k-1\\
\end{split}
もとの数列の一般項 \(\small a_n\)は、\(\small n≧2\)のとき
\begin{split}
\small a_n &\small = a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\\
&\small = 4+\sum_{k=1}^{n-1}(4k-1)\\
&\small = 4+4\cdot\frac{1}{2}n(n-1)-(n-1)\\
&\small = 4+2n^2-2n-n+1\\
&\small = 2n^2-3n+5 \quad \cdots ①\\
\end{split}
ここで、①は\(\small n=1\)のとき、\(\small a_1= 2-3+5=4\)となり数列\(\small \{a_n\}\)の初項と一致する。
ゆえに、\(\small \color{red}{a_n = 2n^2-3n+5 \space \cdots 【答】}\)。
第\(\small n\)項までの和は、
\begin{split}
\small S_n &\small = \sum_{k=1}^n a_k\\
&\small = \sum_{k=1}^n (2k^2-3k+5)\\
&\small = 2\cdot \color{#ff0055}{\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)}\\
&\small \quad -3\cdot \color{#ff0055}{\frac{1}{2}n(n+1)}+5\color{#ff0055}n \color{#ff0055}{◀シグマ公式の利用}\\
&\small = \frac{n\{2(n+1)(2n+1)-9(n+1)+30)\}}{6}\color{#ff0055}{◀通分でまとめる}\\
&\small = \color{red}{\frac{1}{6}n(4n^2-3n+23)\quad \cdots【答】}\\
\end{split}
【解答】
\(\small \displaystyle a_n = 2n^2-3n+5\)
\(\small \displaystyle S_n =\frac{1}{6}n(4n^2-3n+23)\)
補足:検算でケアレスミスを減らそう
数列の一般項や和を求める問題は、答えを求めたら\(\small n=1,2\)などの小さい値を代入して答えが一致しているかを確認するのがおすすめです。たとえば、本問であれば一般項の和を求めたら、\(\small n=2\)を代入して\(\small \displaystyle S_2 =\frac{1}{6}\times 2\times (4\cdot 2^2-3\cdots 2+23)= 11\)、一方で実際の第2項目までの和は、\(\small 4+7=11\)となり、確かに一致していることを確認できます。
特にシグマの公式をまとめる計算はミスしやすいので要チェック!
まとめ|公式はイメージで理解しよう
今回は階差数列から一般項を求める公式の意味と和の求め方、階差数列を表す漸化式について解説しました。
階差数列は公式にシグマが含まれることから「難しそう…」と感じやすいですが、公式の意味を一度理解してイメージを持てるようになると、公式自体も覚えやすくなります。
✓ 階差数列を含む一般項|覚え方のコツ
・一般項=初項+n項目までの差
・n項目までの差は、間の数は1ズレるので「階差数列の初項~\(\small n-1\)項までの和」になる

この2つをしっかりと覚えるようにしましょう。
このイメージを無理やり数式で表したのが
$$\small \displaystyle a_n = a_1+\sum_{k=1}^{n-1} b_k \quad (n≧2)$$
というわけです。
では今回は以上です。お疲れさまでした!
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