【数列(数B)】漸化式の解き方(特性方程式型、等差・等比・階差数列型)【漸化式マスターの道①】

今回の記事は漸化式の中でも一番基礎となる特性方程式を利用した漸化式の解き方と各種数列の漸化式(等差数列型、等比数列型、階差数列型)について解説していきます。

漸化式には多くの問題パターンがあり、暗記するのだけで大変です。さらに、解き方を知らないと解けない問題が多いので、数学が得意な人でも模試などで出てきて手も足も出なかったという人は多いのではないでしょうか?ただ、解き方を知らないと太刀打ちできないということは、裏を返せば「解き方さえマスターしてしまえば簡単に得点アップできる」分野ということでもあります。本記事を含めて漸化式の全パターンをマスターできるような記事(漸化式マスターへの道)を作成していく予定です。漸化式が苦手な人や解けるようになりたい人は、ぜひ本記事含めて確認してみてください!

 本記事はこんな人におすすめ
  • 漸化式の問題がとにかく苦手
  • 漸化式の問題をパターンごとに理解したい
  • 漸化式の問題を解いて自分の実力をチェックしたい
  • パターンごとの解き方のコツが知りたい
 本記事のレベル
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    難しい
  • 暗記/理解
    暗記重視
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    理解重視
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【基礎講義】漸化式の基本パターン

そもそも漸化式ってなに?

漸化式とは、数列にでてくる項の関係性を表した数式のことです。

たとえば、

$$\{a_n\}=1,2,4,8,16,\cdots$$

という数列があったとしましょう。この数列の各項をよく見ると、「ある項を2倍すると次の項になる」という関係性があることが分かります(例えば、「第3項目(ある項)の4」を2倍すると「第4項目(その次の項)の8」など)。よって、この数列の項の関係性を数式化すると

$$\color{red}{a_{n+1}=2a_n}$$

と表せます。この関係式が漸化式というわけです。

【暗記必須】漸化式の基本形3選

冒頭に漸化式には多くのパターンがあるといいましたが、基本形は3つだけです。その3つとは、「等差数列」、「等比数列」と「階差数列」です。これから出てくる漸化式はいろいろとありますが、必ずこの3つに帰着するので超重要です!

漸化式の基本形
 基本形①:等差数列型
  ・漸化式:\(\small \color{red}{a_{n+1}=a_n+d}\)
  ・解  :\(\small \color{blue}{a_n=a_1+(n-1)d}\)

 基本形②:等比数列型
  ・漸化式:\(\small \color{red}{a_{n+1}=ra_n}\)
  ・解  :\(\small \color{blue}{a_n=a_1r^{n-1}}\)

 基本形③:階差数列型
  ・漸化式:\(\small \color{red}{a_{n+1}=a_n+f(n)}\)
  ・解  :\(\small \color{blue}{\displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\space (n≧2)}\)

次の章から漸化式の基本形ごとに、どうして等差や等比数列になるのかという解説をしていきます。理由まで理解しておくと忘れにくいので、ぜひ一緒に確認していきましょう。

基本形①:等差数列型

基本形①:等差数列型
 ・漸化式:\(\small \color{red}{a_{n+1}=a_n+d}\)
 ・解  :\(\small \color{blue}{a_n=a_1+(n-1)d}\)

漸化式を言語化すると、ある項(\(\small a_n\))に\(\small d\)を足すと次項(\(\small a_{n+1}\))になるということで、等差数列の項同士の関係性を表しています。もしくは、少し式変形して、\(\small a_{n+1}-a_n=d\)としてあげると、隣り合う項の差が常に一定(\(\small d\))となるので、等差●●数列の定義になりますね。なので、この漸化式の解答は、等差数列の一般項になります。

基本形②:等比数列型

基本形②:等比数列型
 ・漸化式:\(\small \color{red}{a_{n+1}=ra_n}\)
 ・解  :\(\small \color{blue}{a_n=a_1r^{n-1}}\)

漸化式を言語化すると、ある項(\(\small a_n\))を\(\small r\)倍すると次項(\(\small a_{n+1}\))になるということで、等比数列の項同士の関係性を表しています。なので答えももちろん等比数列の一般項です!

基本形③:階差数列型

基本形③:階差数列型
 ・漸化式:\(\small \color{red}{a_{n+1}=a_n+f(n)}\)
 ・解  :\(\small \color{blue}{\displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\space (n≧2)}\)、\(\small n=1\)では\(\small a_1\)

最後は階差数列パターンですが、\(\small f(n)\)がちょっとわかりにくいですね。一旦は、\(\small f(n)\)は\(\small 2n+1\)といった\(\small n\)を含む式と思っておいてくれればokです。漸化式自体は等差数列とよく似てますが、\(\small d\)の部分が\(\small n\)を含む式になっており、差が変わるということで階差●●数列というわけです。なので解答も階差数列の一般項になります。

●OnePoint:漸化式から考える階差数列の一般項

参考問題

\(\small n≧2\)のとき、漸化式、\(\small a_{n+1}=a_n+f(n)\)の解が\(\small \displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\)となることを示せ。

 解説

以下のように漸化式を繰り返し用いることで示すことができる。

【暗記必須】漸化式の標準形

では基本形の3パターンが分かったところで標準パターンになります。ここでは一番重要な1つを紹介します。漸化式の問題の典型的パターンになるのでしっかり解き方を覚えましょう!

\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型(特性方程式利用パターン)

■\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型の解法
 ・STEP1特性方程式を解いて解を\(\small \alpha\)とおく
 ・STEP2:\(\small \color{red}{b_n=a_n-\alpha}\)とおき
      \(\small b_n\)を基本形②(等比数列型)で解く
 ・STEP3:\(\small b_n\)から\(\small a_n\)を求める

\(\small \color{magenta}{a_{n+1}=pa_n+q}\)と言われると分かりづらいですが、\(\small p\)や\(\small q\)はただの数字なので、\(\small \color{magenta}{a_{n+1}=2a_n-3}\)のように\(\small a_{n+1}\)や\(\small a_{n}\)が足し引きされた漸化式が今回のパターンです。なぜ、特性方程式を使うと解けるのかや解き方の具体的な話は例題で解説していきます。

【例題】\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型の解き方

例題:\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型(特性方程式利用パターン)

\(\small a_1=1\)、\(\small a_{n+1}=3a_n-4 (n=1,2,3,\cdots)\)によって定められる数列\(\small \{a_n\}\)の一般項を求めよ。

 解説
STEP

特性方程式を解いて解を\(\small \alpha\)とおく

●特性方程式とは?
 漸化式において、\(\small a_n\)や\(\small a_{n+1}\)を\(\small \alpha\)とおいた方程式のこと

今回の問題の特性方程式は、\(\small \color{red}\alpha =3\color{red}\alpha-4\)なので、方程式を解いて\(\small \alpha\)を求めると、\(\small \color{red}{\alpha = 2 }\)となる。

STEP

\(\small \color{red}{b_n=a_n-\alpha}\)とおき\(\small b_n\)を基本形②(等比数列型)で解く

STEP1で求めた特性方程式の解(\(\small \alpha=2\))から、\(\small \color{red}{b_n=a_n-2}\cdots①\)とおく。いきなり\(\small b_n\)という謎の数列が登場したが、実はこのようにおくと数列\(\small b_n\)は必ず基本形②(等比数列型)の漸化式を満たす

●\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型の漸化式の解法ポイント
\(\small \color{red}{b_n=a_n-\alpha}\)とおくと、数列\(\small b_n\)は\(\small \color{red}{b_{n+1}=pb_n}\)(等比数列型(基本形②))を満たす。よって、その解は、\(\small \color{red}{b_n=b_1p^{n-1}}\)(基本形②の解)と求まる。

基本形②(等比数列型)の漸化式を忘れてしまった人はこちらに戻って確認しましょう。

ということで、今回の場合は、\(\small b_n=a_n-2\)とおくと、\(\small \color{red}{b_{n+1}=3b_n}\)となり、数列\(\small \{b_n\}\)の一般項は、

$$\small \color{red}{b_n=b_1\cdot3^{n-1}}\cdots②$$

●OnePoint:\(\small \{b_n\}\)の初項に注意!
問題文の\(\small a_1=1\)を初項としてしまうミスが起きやすい。このようなケアレスミスは、丁寧に途中式を書きながら解くことで減らせます。

①の式で\(\small n=1\)とすると、\(\small \color{red}{b_1}=a_1-2=1-2=\color{red}{-1}\)なので、②に代入すると、

$$\small b_n=-3^{n-1}\cdots③$$

これで\(\small b_n\)が求まりました。

STEP

\(\small b_n\)から\(\small a_n\)を求める

最後にSTEP2で求めた数列\(\small \{b_n\}\)を\(\small \{a_n\}\)に置き換えることを忘れないように注意しましょう。置き換え方は、③の式を①の式に代入するだけです。

\begin{split}
b_n&=a_n-2\\
a_n&=b_n+2\\
\color{red}{a_n}&\color{red}{=-3^{n-1}+2\space \cdots(\mathbf{答})}\\
\end{split}

●OnePoint:なぜ特性方程式で解けるのか(発想のよりどころ)
特性方程式での解き方は分かっても「なぜこれでうまく解けるのか?」という疑問について、今回の問題を具体例として簡単に捕捉します。基本的な発想としては、

①【\(\small a_{n+1}=3a_n\color{magenta}{-4}\)】の最後にある\(\small \color{magenta}{“-4”}\)がなければ等比数列型(基本形②)になる!

②それなら\(\small -4\)を消せればOK

というアプローチです。②は当然\(\small -4\)をただ消すだけは問題が変わってしまいますから、\(\small \color{red}{\alpha = 3\alpha -4}\)という方程式(=特性方程式)を考えて、元の漸化式特性方程式引き算することで\(\small -4\)を消去して、等比数列型の漸化式にします。

このようにすると、等比数列型の漸化式は赤枠で囲った部分はいずれも\(\small \color{red}{a_n-\alpha}\)という数列になっていて、右辺が第\(\small n\)項、左辺が第\(\small n+1\)項になっているので、この数列を改めて\(\small b_n=a_n-\alpha\)と定義すると等比数列型の漸化式\(\small \color{red}{b_{n+1}=3b_n}\)としてうまく解くことができるわけです。そして、この時に出てくる\(\small \alpha\)は方程式\(\small \color{red}{\alpha = 3\alpha -4}\)を満たすので、結果、特性方程式の解を求めて引き算すればよいわけです。

【問題&解説】漸化式の基本問題

この章では基礎講義で扱った漸化式の基本形・標準形の問題を実際に解いて理解度を確認していきましょう。

【問題1】等差数列型の漸化式

問題1:等差数列型(\(\small a_{n+1}=a_n+d\))の漸化式

\(\small a_1=5\)、\(\small a_{n+1}=a_n+2 (n=1,2,3,\cdots)\)によって定められる数列\(\small \{a_n\}\)の一般項を求めよ。

 解説

初項5、公差2の等比数列なので、\(\small \color{red}{a_n}=5+(n-1)\cdot2=\color{red}{2n+3}\) …(答)

【問題2】等比数列型の漸化式

問題2:等比数列型(\(\small a_{n+1}=ra_n\))の漸化式

\(\small a_1=4\)、\(\small 2a_{n+1}=a_n (n=1,2,3,\cdots)\)によって定められる数列\(\small \{a_n\}\)の一般項を求めよ。

 解説

\(\small \displaystyle \color{magenta}{a_{n+1}=\frac{1}{2}a_n}\)より、初項4、公比\(\small \displaystyle \frac{1}{2}\)の等比数列となるため、一般項は、\(\small \displaystyle \color{red}{a_n}=4\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}=\color{red}{\left(\frac{1}{2}\right)^{n-3}}\) …(答)

●OnePoint:検算して答えがあっているか確認しよう
漸化式の問題は、漸化式に値を代入していけば次の項を求めることができるので、最初の2~3項を計算して求めた答えと一致しているか確認しておくと安心です。
例えば、今回であれば漸化式から、\(\small a_1=4、a_2=2、a_3=1\)となり、一方求めた答えに\(\small n=1、2、3\)をそれぞれ代入すると
\begin{cases}
a_1=\displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^{-2}=2^2=4\quad (n=1)\\
a_2=\displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^{-1}=2^1=2\quad (n=2)\\
a_3=\displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^{0}=1\quad (n=3)\\
\end{cases}
となることから、一致していることが分かります。

●補足
\(\small \displaystyle a_n=4\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}\)でも正解です。
ただ、\(\small 4=2^2\)なのできれいにまとめておくと回答がすっきりします。

【問題3】階差数列型の漸化式

問題3:階差数列型(\(\small a_{n+1}=a_n+f(n)\))の漸化式

\(\small a_1=1\)、\(\small a_{n+1}=a_n+2^n-2n (n=1,2,3,\cdots)\)で定義される数列の一般項\(\small a_n\)を求めよ。 [法政大]

 解説

階差数列の公式で、初項\(\small a_1=1\)であることから

\begin{equation}
a_n=
\begin{cases}
1\quad(n=1)\\
\displaystyle 1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\space (n≧2)\quad \cdots①\\
\end{cases}
\end{equation}

にあてはめて解く。

●OnePoint:階差数列の公式について
階差数列は、第二項目以降は初項に差分となる関数\(\small f(n)\)を足し算することで求めることができます。ただし、「初項だけは差分となる関数\(\small f(n)\)を足す必要がない」という特別性があるので、上記のように\(\small n=1\)とそれ以外(\(\small n≧2\))で分けて表現しています。

数列の差にあたる関数が\(\small f(n)=2^n-2n\)なので、\(\small n≧2\)の場合、一般項\(\small a_n\)は①に代入すると

\begin{split}
a_n&=1+\sum_{k=1}^{n-1}\left(2^k-2k\right)\\
&=1+\sum_{k=1}^{n-1}2^k-2\sum_{k=1}^{n-1}k\\
&=1+\frac{2(1-2^{n-1})}{1-2}-2\cdot\frac{1}{2}(n-1)n\\
&=1-2+2^{n}-n^2+n\\
&=\color{red}{2^{n}-n^2+n-1\quad \cdots①}\\
\end{split}

●OnePoint:シグマ計算のコツ
階差数列では、シグマの和の範囲が\(\small 1~n-1\)までなので、公式と少しずれておりミスが起きやすいです。なので、公式を言葉に直して計算すると分かりやすいかもしれないので紹介しておきます。

■等比数列の和
$$\displaystyle \sum_{k=1}^n r^{k-1}=\frac{1-r^n}{1-r}=\frac{(\color{red}{\mathbf{最初の項}})\times(1-r^{\color{red}{\mathbf{項の個数}}})}{1-r}$$

■等差数列の和
$$\displaystyle \sum_{k=1}^n k=\frac{1}{2}n(n+1)=\frac{1}{2}(\color{red}{\mathbf{項の個数}})\times(\color{red}{\mathbf{最初の項}}+\color{red}{\mathbf{最後の項}})$$

たとえば、\(\small \displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}2^k=2+4+8+\cdots\)であれば、和の最初の項は2、項数は\(\small 1~n-1\)までの\(\small n-1\)項なので、\(\small \displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}2^k=\frac{\color{red}2(1-2^{\color{blue}{n-1}})}{1-2}=2^{n}-2\)となる。
同様に\(\small \displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}k=1+2+\cdots+n-1\)も最初の項が1最後の項が\(\small n-1\)(\(\small k=n-1\)を代入しただけ)、項数が\(\small n-1\)なので、\(\small \displaystyle \sum_{k=1}^{n-1}k=\frac{1}{2}(\color{green}{n-1})\{\color{red}1+(\color{blue}{n-1})\}=\frac{1}{2}(n-1)n\)と求まる。

ここで、①の式で\(\small n=1\)を代入すると

\begin{split}
a_1&=2^{1}-1^2+1-1=1\\
\end{split}

となり、問題文の初項と一致する。よって、①は一般の\(\small n\)に対して成り立つので、\(\small \color{red}{a_n=2^{n}-n^2+n-1\space \cdots(\mathbf{答})}\)

●OnePoint:\(\small n=1\)の場合も成り立つことを確認するのはなぜ?
階差数列の場合、\(\small \displaystyle a_n=1+\sum_{k=1}^{n-1}\left(2^k-2k\right)\)のように、シグマの和の範囲が1~\(\small \color{red}{n-1}\)までとなっており、大小関係から\(\small 1≦n-1\)、すなわち\(\small n≧2\)が前提になっていることから、\(\small n=1\)の場合に初項\(\small a_1\)と一致するかどうかは保証されていない(多くの場合一致するけど…)。なのでしっかり\(\small n=1\)の場合に成り立つのかどうかを確認する必要がある。ちなみに、一致しない場合は、\(\small n=1\)の場合と\(\small n≧2\)の場合で場合分けして答えをそれぞれ書けばよい。

【問題4】\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型の漸化式

問題4:\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型の漸化式

\(\small a_1=1\)、\(\small 6a_{n+1}=3a_n+4 (n=1,2,3,\cdots)\)で定義される数列の一般項\(\small a_n\)を求めよ。

 解説

特性方程式の解は、
\begin{split}
6\alpha &=3\alpha+4\\
3\alpha &=4\\
\alpha &=\frac{4}{3}\\
\end{split}

問題の式は、\(\small \displaystyle a_{n+1}=\frac{1}{2}a_n+\frac{2}{3}\)と式変形できるので、\(\small \displaystyle \color{red}{b_n=a_n-\frac{4}{3}}\cdots①\)とおくと、\(\small \displaystyle \color{red}{b_{n+1}=\frac{1}{2}b_n}\cdots②\)と変形できる。

●OnePoint:\(\small a_{n+1}\)の係数に注意!
\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型の漸化式は\(\small a_{n+1}\)の係数が必ず1である必要があります。今回の問題のように\(\small a_{n+1}\)の係数が1ではない場合は、式全体を\(\small a_{n+1}\)の係数で除算すれば必ず1にできるので大した問題ではないですが、引っかかりやすいポイントなので注意しましょう。

\(\small \displaystyle \color{blue}{b_1}=a_1-\frac{4}{3}=1-\frac{4}{3}=\color{blue}{-\frac{1}{3}}\)より、②の解は、\(\small \displaystyle b_n=-\frac{1}{3}\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}\cdots③\)。

最後に③の結果を①に代入すると

\begin{split}
b_n&=a_n-\frac{4}{3}\\
a_n&=b_n+\frac{4}{3}\\
\color{red}{a_n}&\color{red}{=-\frac{1}{3}\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}+\frac{4}{3}\cdots(答)}\\
\end{split}

本記事のまとめ

今回は漸化式の基本問題ということで、特性方程式を利用した一般項の求め方や等差数列、等比数列、階差数列の漸化式について学びました。

\(\small a_{n+1}=pa_n+q\)型の漸化式を求めるときに、うまく式変形して基本形(等比数列型の漸化式)に帰着させるという考え方で解き進めました。実は、【うまく式変形して既に知っている漸化式の形に帰着させる】という考え方はこのあと出てくる漸化式を解いていく際にも必ず出てくる考え方なので、今日学んだ漸化式の基本形・標準形を改めてしっかり覚えておきましょう。

あとは、【うまく式変形】するという部分が、知らないとなかなか気づけないテクニック要素になるので、そこをしっかり演習の中で覚えていければ漸化式は攻略できると思います。

では本日はここまでです。お疲れ様でした!

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