連立1次不等式の解き方まとめ|共通範囲・解なしの考え方とコツを解説

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今回は、連立1次不等式の解き方をわかりやすく解説します。
「数直線を使った解き方がよくわからない」「共通範囲の考え方が苦手」「解なしになるパターンが理解できない」と悩んでいませんか?

この記事では、連立1次不等式とは何かという基本知識から、問題パターン別の解き方やコツまでを図解付きで丁寧に説明します。この記事を読めば、連立1次不等式の考え方を身に着けることができるため、定期テスト対策にもなるので、ぜひ最後までチェックして、苦手を克服しましょう!

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著者情報
hiroemon
hiroemon
数学教育アドバイザー
学校の授業では教えてくれない「数学の考え方」をわかりやすく解説。少しでも数学の疑問を解決する手助けとなるような情報を発信しています。
実績 大学院を主席で卒業(MARCHレベル)
塾講師歴 6年
資格 中学・高校教員免許保持
数学 / 理科(物理・化学・生物・地学)
出身 千葉県
趣味
#ボルダリング #ラーメン巡り
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1. そもそも連立1次不等式って何?

解き方を説明する前に、そもそも「連立1次不等式とはなにか」について説明しておきます。連立1次不等式の意味を理解するためには、まずは「連立」、「1次」、「不等式」の3つの言葉に分解してそれぞれの意味を確認してみましょう。

Point:「連立」「1次」「不等式」の意味
連立  :複数の式がすべて成り立つ
1次  :式中の文字の最高次数が1乗
不等式大小関係不等号で表した式

1つ目の「連立」とは、連なって成り立つという意味で、複数の式がすべて成り立つような答えを求める問題のことを意味しています。中学で学ぶ「連立方程式」も、2つの方程式の両方が成り立つような\(\small x\)、\(\small y\)の値を求めてましたね。どちらか一方の式だけが成り立つ解は連立方程式の解にはなりません。ちなみに、式の個数は3つや4つなど2つ以外であっても「連立」といいます。

2つ目の「1次」とは、式中に出てくる文字の最高次数が1乗という意味です。言葉の定義で説明すると逆に分かりにくくなるので具体例を出すと、\(\small 3x-2\)、\(\small x+5\)などの1次式のことです。式の中に文字の1乗(〇\(\small x\))と数字しか出てこない式が「1次」の意味になります。

3つ目の「不等式」とは、その名の通り両辺が等しくない式なので、必ずどちらかに大小関係がつく式のことです。なので、式中に必ず不等号(「≦」や「>」など)が含まれます。

以上をまとめると、連立1次不等式とは、「大小関係を表した文字を含む複数の1次式がすべてが成り立つような式」となります。端的に言えば、連立方程式の不等式バージョンということなのですが、なぜあえて言葉の意味をはじめに確認したかというと、この意味を理解せずに連立方程式と同じ感覚で解いているとこの後説明する「共通範囲」の考え方がわからないという原因につながるので、少し詳しめに説明しました。

Point:連立1次不等式とは
複数の1次式不等式すべてが成り立つような式のこと。

では、次章では言葉の意味を踏まえながら具体的な解き方の基本3stepについて説明してきます!

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2. 連立1次不等式の解法3STEP

ここからは連立1次方程式の解き方を3STEPに分けて説明します。これだけ覚えておけば誰でも解けるようになると思うので、一緒に確認していきましょう。

さっそく結論として、解き方は以下の3STEPです。

Point:連立1次不等式の解き方
STEP1
まずはそれぞれの不等式を解く
STEP2
解の範囲を数直線に図示する
STEP3
図示した範囲の共通部分が答え

では、連立1次不等式の解き方の流れを例題を用いて解説していきます。

例題
次の連立1次不等式を解け。
\begin{cases} \small x+3<5\\ \small 2x+3≧1\\ \end{cases}

【STEP1】まずはそれぞれの不等式を解く

連立1次不等式では、基本的には2つ以上の不等式があるので、まずは1つずつの不等式に着目してそれぞれを解いていきます

今回であれば、\(\small x+3<5\)と\(\small 2x+3≧1\)をそれぞれ解いていくと

\begin{split}
\small x+ &\small 3 <5\\
\small \Leftrightarrow \space x &\small <2\\
\end{split}

\begin{split}
\small 2x +&\small 3 ≧1\\
\small \Leftrightarrow \space2x &\small ≧-2\\
\small \Leftrightarrow \space x &\small ≧-1\\
\end{split}

となり、2つの\(\small x\)の範囲を求めることができます。

【補足】1つの式に2つの不等号が含まれる場合

稀に1つの式で2つの不等号が含まれる場合がありますが、そんな場合は左右で2つの不等式に分解して、それぞれを解いていけばOKです。

【STEP2】解の範囲を数直線に図示する

STEP2では、それぞれの解の範囲を数直線上に図示します。

\(\small x < 2 \)、\(\small x ≧ -1\)の場合、以下のように書きましょう。

数直線上に解の範囲を描くときに気を付けるべきポイントが2つあります。

1つ目は、軸の右端に文字(今回なら\(\small x \))を書くようにしましょう。高校の不等式問題では文字が複数出てくることはありませんが、大学以降になるとたくさんの文字が出てきて、今書いているのは何の範囲かわからなくなってしまうことがあるので、今のうちから右端には文字を書くクセを付けておきましょう。

2つ目は、境界値が白丸か黒丸かをしっかり分かるように書きましょう。これは高校生でもよくあるミスで、最終的な答えの不等号にイコールが入る・入らないのミスの大半は、境界値の黒丸・白丸をしっかり書いてないことが原因です。せっかく解いたのに最後の最後でミスするのはもったいないので、ミスしないためにも数直線上でしっかり分かるようにしておくことが重要です。

【STEP3】 図示した範囲の共通部分が答え

いよいよ最終STEPです。STEP2では説明の都合上、\(\small x < 2 \)、\(\small x ≧ -1\)の2つの範囲を分けて記載しましたが、実際には1つの数直線上に書いたときの共通部分が連立1次不等式の答えになります。

では実際に1つの数直線上に\(\small x < 2 \)…①と\(\small x ≧ -1\)…②の範囲をかいてみましょう。

数直線に範囲をかくと分かる通り、①と②の共通部分は-1以上2未満の範囲になります。これを不等式で表した\(\small -1 ≦ x < 2\)…【答】が答えになります。

①と②の共通部分が答えになるのがなぜだか分かりますか?ここではじめに解説した「連立1次不等式」の言葉の意味を思い出しましょう。

(再掲)Point:連立1次不等式とは
複数の1次式不等式すべてが成り立つような式のこと。

連立1次不等式は、複数の不等式がすべて成り立つ式のことなので、連立不等式の解は①と②の両方が成り立っていないといけません。なので、それぞれの範囲の共通部分であれば、-1以上(②)も満たすし2未満(①)も満たすことができるので、答えになるわけです。逆に、下図③のような範囲は、①の\(\small x<2\)は満たしますが、②の\(\small -1≦x\)が満たされていないので、連立1次不等式の解にはなりません。

解き方の流れが理解できたところで、次章では問題パターンごとに連立1次不等式を解いてきましょう。

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3. 連立1次不等式を解いてみよう(問題・解説)

3.1 問題1

問題1
難易度:☆☆☆
次の連立1次不等式を解いて\(\small x\)の範囲を求めよ。 \begin{cases} \small 4x+2 > 2x+4 \\ \small 5x-1 > 3x-7 \end{cases}
解説

まずは、STEP1の通り、1つずつ不等式を解いてきます。

1行目の不等式を解くと

\begin{split}
&\small 4x+2 > 2x+4\\
\small \Leftrightarrow \space &\small 4x-2x > 4-2\\
\small \Leftrightarrow \space &\small 2x > 2\\
\small ∴ \space &\small x > 1 \quad \cdots①\\
\end{split}

同様に、2行目の不等式を解くと

\begin{split}
&\small 5x-1 > 3x-7\\
\small \Leftrightarrow \space &\small 5x-3x > -7+1\\
\small \Leftrightarrow \space &\small 2x > -6\\
\small ∴ \space &\small x > -3 \quad \cdots②\\
\end{split}

それぞれの不等式が解けたので、次はSTEP2で解の範囲①、②を数直線上に図示していきましょう。

最後に①、②の両方に共通する範囲は以下の赤線部分の範囲なので、\(\small 1 < x\)…【答】となります。

【補足】各範囲が表す意味
もし、今回の答えを\(\small -3 < x < 1\)や\(\small x < -3\)などと間違ってしまった人向けに、参考までにそれぞれの範囲がどんな範囲なのかをまとめた図を載せておきます。黄色や緑の範囲を含んでしまうと①だけしか満たせなかったり、①も②も満たせなかったり、いずれにしても①、②を両方満たすことができないので解の範囲として不適ということになります。

3.2 問題2

問題2
難易度:★★☆☆
次の連立1次不等式を解いて\(\small x\)の範囲を求めよ。 \begin{cases} \small 5x+3 > 6x+1 \\ \small 3x-4 > x+2 \end{cases}
解説

それぞれの不等式を解くと

\begin{split}
&\small 5x+3 > 6x+1 \\
\small \Leftrightarrow \space &\small -x > -2\\
\small ∴ \space &\small x < 2 \quad \cdots ①\\
\end{split}

\begin{split}
&\small 3x-4 > x+2\\
\small \Leftrightarrow \space &\small 2x > 6\\
\small ∴ \space &\small x > 3 \quad \cdots ②\\
\end{split}

①、②それぞれを数直線で表していきます。

最後に①,②の共通部分が答えになるのですが、数直線を見て分かる通り共通範囲がありません。そのため、解なし…【答】となります。

【補足】よくあるミス

①と②を合わせて\(\small x < 2,3 < x\)が答えだ」としてしまう人が非常に多いのですが、これは間違いなので要注意。

では、なぜ間違いなのか理由を説明していきます。ここでSTEP3をもう一度思い出しましょう。「数直線で図示した範囲の共通部分が答え」がSTEP3です。では今回の数直線にかいた範囲で、共通部分はどこか?とみてみると、共通部分はありません。なので、最後のステップは「共通部分が答え」というのをしっかり頭に叩き込んでおきましょう!

AND条件とOR条件の違いに注意

問題2は、STEP3で陥りがちなミスとして、「共通範囲を求める」=「出てきた答えを合わせればいい」と勘違いしている人が多かったので、あえて取り上げました。一見どちらも同じように見えますが、数学的には全く違う考え方になるので少し補足しておきます。

「共通範囲を求める」という作業は、複数の条件すべてを同時に満たす範囲になります。全部の条件を満たすことを「AND条件といいます。ANDは日本語にすると「かつ」という意味です。お部屋探しに例えるなら「家賃が月5万円以下かつ礼金0円」は、家賃が5万円以下じゃないといけないし礼金0円じゃないといけない、これが「AND条件」です。

一方、「出てきた答えを合わせる」という作業は、必ずしもすべての条件を同時に満たさなくてもよい(①は満たすけど、②は満たさないなど)ことになります。いずれかの条件を満たすことを「OR条件といいます。ORは日本語にすると「または」という意味です。お部屋探しに例えるなら「家賃が月5万円以下または礼金0円」は、家賃が5万円以下じゃなくても礼金0円だったらいいとかその逆など、必ずしも両方の条件を満たさなくてもよい考え方です。

なので、STEP3の共通範囲を求めることはAND条件を求めることなのに、OR条件で考えてしまうと不正解になってしまうので、これをよい機会に気を付けていきましょう!

3.3 問題3(応用編)

問題3
難易度:★★★
次の連立1次不等式を解いて\(\small x\)の範囲を求めよ。 \begin{cases} \small 3x+4 > 4x-1 \\ \small 5x-1 ≦ x+2 \\ \small x-1 < 3x+2 \end{cases}
解答
\(\small -\frac{3}{2} < x ≦ \frac{3}{4} \)

解説

式の数が3つに増えてもやることは同じです。

\begin{split}
&\small 3x+4 > 4x-1\\
\small \Leftrightarrow \space &\small -x > -5\\
\small ∴ \space &\small x < 5\quad \cdots①\\
\end{split}

\begin{split}
&\small 5x-1 ≦ x+2\\
\small \Leftrightarrow \space &\small 4x≦3\\
\small ∴ \space &\small x ≦ \frac{3}{4}\quad \cdots②\\
\end{split}

\begin{split}
&\small x-1 < 3x+2\\
\small \Leftrightarrow \space &\small -2x < 3\\
\small ∴ \space &\small x>-\frac{3}{2}\quad \cdots ③\\
\end{split}

①~③を数直線で図示すると以下のようになります。

最後は、①~③の共通範囲を探すと\(\small \displaystyle -\frac{3}{2}\)~\(\small \displaystyle \frac{3}{4}\)の範囲だとわかるので、境界値の白丸と黒丸に注意すると、\(\small \displaystyle -\frac{3}{2}<x≦\frac{3}{4}\)…【答】となります。

4. まとめ

今回は、連立1次不等式の解き方を3つのSTEPに分けて説明していきました。

STEP1では、まずはそれぞれの不等式を解く、STEP2では、解いた不等式の範囲を数直線に図示する、そして最後のSTEP3で、すべての範囲に共通する部分が答えになる、この3STEPで解くことができるという解説でした。

各ステップの考え方を身に着けることができれば、応用問題でも十分太刀打ちできるはずなので、このレベルは完璧に解けるようになったという人は、もう少しレベルの高い問題に挑戦してみるといろんな学びを得ることができると思います。

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本日はここまでです。お疲れさまでした!

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