【数Ⅲ_微分】対数微分法の使い方(使いどころと絶対値の要否を分かりやすく解説)

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今回は対数微分法について分かりやすく解説していきます。対数微分法とは、その名の通り微分したい関数の対数をとってから微分を行う微分法です(対数関数の微分のことではないので注意!)。

本記事では、対数微分法が具体的にどんな場面で使えるのかどんな手順で解く微分法なのか、また、絶対値はいるのかいらないのかについて詳しく解説していこうと思います。

ぜひ演習問題を通して対数微分法の解き方をマスターしましょう!

 本記事はこんな人におすすめ
  • 対数微分法の解き方を理解したい人
  • 対数微分法っていつ使うのかを知りたい人
  • 対数微分法で解く際に絶対値がいるのかいらないのかを知りたい人
  • 大学入試対策、定期テスト対策がしたい人
 本記事のレベル
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    暗記
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【基礎講義】対数微分法とは

【講義1】対数微分法を利用した解法

Point:対数微分法とは
対数微分法とは、関数 \(\small y=f(x)\)に対して両辺の対数をとって微分を求める方法のこと。

具体的な問題で解き方を確認する方が分かりやすいと思うので、例題で確認していきましょう。

例題:対数微分法の解き方

関数 \(\small \displaystyle y=x^3\)を微分せよ。

普通の微分方法でもすぐ求められますが、ここではあえて対数微分法を利用して解いていきます。

Point:対数微分法の解き方
STEP1両辺の\(\small \log\)(自然対数)をとる。
STEP2両辺を\(\small x\)で微分する。
STEP3\(\small x\)だけの式に整理する。
 解説
STEP

\(\small x \neq 0\)として、微分したい関数の両辺の\(\small \log\)(自然対数)をとる。

\begin{split}
&\small y = x^3\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \color{#ef5350}{\log|}y\color{#ef5350}| = \color{#ef5350}{\log|}x^3\color{#ef5350}| \quad [*1]\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \log|y|=3\log|x| \space \cdots ①\\
\end{split}

*1:【補足】絶対値をとる理由
対数の中身は正である必要があるため、本問のように\(\small \log\)の中身が\(\small x、\space y\)のように正でない可能性がある場合は絶対値をとる必要がある。
詳細は、【講義2】対数をとるときに絶対値は必要?不要?を参照。

STEP

STEP1で対数をとった式の両辺を\(\small x\)で微分する。

①の両辺を\(\small x\)で微分すると

\begin{split}
&\small \log|y|=3\log|x|\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \frac{1}{y}\cdot y^\prime = 3 \cdot \frac{1}{x} \quad [*2]\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime = \frac{3y}{x} \\
\end{split}

*2:【補足】\(\small \log |y|\)の微分
$$\small \frac{d}{dx}\log|y| = \frac{y^\prime}{y}$$
が成り立つことを利用。計算の詳細は【講義3】\(\small \log y\)の微分方法を参照。

STEP

最後に式中に含まれている\(\small y\)を\(\small x\)だけの式に整理すれば微分完了。

STEP2の式に\(\small y=x^3\)を代入して式を整理すると

\begin{split}
&\small \displaystyle y^\prime = \frac{3y}{x} \\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime = \frac{3\color{#ef5350}{x^3}}{x} \space \color{#ef5350}{◀y=x^3を代入}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \color{red}{y^\prime = 3x^2 \space \cdots【答】}\\
\end{split}

【講義2】対数をとるときに絶対値は必要?不要?

両辺の対数をとる際に対数の中身(\(\small \log M\)であれば\(\small M\)の部分)は正にならなければいけないという条件があります(これを真数条件という)。そのため、\(\small x\)の値によって正の値にならない可能性がある場合は、絶対値をとっておく必要があります。逆に、対数の中身が常に正である場合は特に絶対値は不要です(絶対値を付けていても特に問題はない)。

Point:絶対値はいる?いらない?
・迷ったらとりあえず絶対値を付けておけば安心
・原則的には\(\small \log ■\)に対して…
 ・■が常に正であれば絶対値は不要
 ・■が0または負になる可能性がある場合は、絶対値が必要

ちなみに、微分したい関数の両辺にいきなり絶対値をとっていいのか気になる人もしれませんが、結論両辺に絶対値をとってもOKです。これは等式は両辺に同じことをしても成り立つという性質を使っているだけで、方程式の両辺を2乗しても問題ないのと同じ理論です(今回であればそもそも両辺に対数をとっているのも同じ理屈)。両辺に絶対値をとる機会がないのではじめは違和感があるかもしれないですね(^^;)。

対数の中身が正の値になることは次のように証明できます。

●\(\small \log\)の中身が正になることの証明
\(\small x = \log M\)とおくと、\(\small M\)が正の値になることを示せればよい。
対数関数の定義
\begin{split}
&\small x=\log_a b\\
\small \Leftrightarrow \space &\small a^x=b\\
\end{split}
より、
\begin{split}
&\small x=\log M\\
\small \Leftrightarrow \space &\small x=\log_e M \space ◀底は自然対数\\
\small \Leftrightarrow \space &\small e^x=M\\
\end{split}
となる。自然対数は\(\small e≒2.718\cdots\)のような正の値であることから、正の値を何乗しても(\(\small x\)の値がどんな値でも)\(\small e^x\)は正の値なので、\(\small M\)は正の値になる。
よって、\(\small M\)はもともと\(\small \log M\)であり対数の中身だったことから、対数の中身が正の値になることが示せた。

【講義3】\(\small \log y\)の微分方法

対数微分法で\(\small \log|y|\)を微分するときに\(\small \displaystyle \frac{1}{y}\)としてしまう間違いが多いですが、これは\(\small \log|y|\)を\(\small y\)で微分した結果です。今回は、\(\small \log|y|\)を\(\small x\)で微分している点に注意しましょう。

ではなぜ\(\small \log|y|\)を\(\small x\)で微分すると\(\small \displaystyle \frac{y^\prime}{y}\)となるのかをここでは具体例で説明します。

たとえば、\(\small y=3x\)として\(\small \log |y|\)を\(\small x\)で微分した値は、\(\small \log|y|=\log |3x|\)を\(\small x\)で微分することになるので、

\begin{split}
\small \displaystyle \frac{d}{dx}\log |y| &\small = \frac{d}{dx}(\log|3x|)\\
&\small \displaystyle =\frac{1}{\color{#5c6bc0}{3x}}\cdot \color{#ef5350}{(3x)^\prime} \space \cdots (*)\\
&\small \displaystyle =\frac{1}{3x}\cdot \color{#ef5350}{3}\\
&\small \displaystyle =\frac{1}{x}\\
\end{split}

となります。ここで途中式の\(\small (*)\)に注目すると、\(\small y=3x\)であることから青色部分は\(\small 3x=y\)であり、赤色部分は\(\small (3x)^\prime = y^\prime\)なので、

\begin{split}
\small \displaystyle \frac{d}{dx}\log |y| &\small = \frac{1}{\color{#5c6bc0}{3x}}\cdot \color{#ef5350}{(3x)^\prime}\\
&\small \displaystyle =\frac{ \color{#ef5350}{y^\prime}}{\color{#5c6bc0}y}\\
\end{split}

が成り立つことが分かります。

ここでは分かりやすいように\(\small y=3x\)という具体例で説明しましたが、今回の結果は一般的に成り立ちます。いわゆる合成関数の微分であり、\(\small y^\prime\)は中身の微分と言われるやつですね(詳しくは【合成関数の微分】証明と解き方を分かりやすく解説の記事を見てね)。

Point:\(\small \log y\)の微分
・対数微分法において、左辺 \(\small \log y\)の微分は\(\small \displaystyle \frac{y^\prime}{y}\)

【講義4】対数微分法はいつ使う?

対数微分法は微分の解き方の一種なので、極論どんな関数に対しても使えます。実際に講義1では\(\small y=x^3\)の微分を対数微分法を使って求めましたね。

ではここで皆さんに質問です。\(\small y=x^3\)を対数微分法を使って解きたいと思いましたか?対数微分法の愛好家でもない限り、ほとんどの人は対数微分法はめんどくさいと感じたはずです(笑)。

対数微分法は単純な関数の微分を求めるのには向いていません。ではどんな関数の微分に向いているのでしょうか?

Point:対数微分法の使いどころ
使いどころ① 指数に関数を含む 関数
\(\small y=f(x)^{g(x)}\)のような関数の微分に対して、対数の性質 \(\small \log f(x)^{g(x)}=g(x)\log f(x)\)を利用することで、指数を消去した微分に変換できる!

使いどころ② 3つ以上の関数の積商を含む 関数
☞ 対数の性質 \(\small \log f(x)g(x)=\log f(x)+\log g(x)\)を利用することで、積・商を含む複雑な微分を\(\small \log\)の和・差のみの簡単な微分に変換できる!

使いどころ①は、講義1の例題 \(\small y=x^3\)のように指数が実数であれば普通に微分すればよいですが、\(\small y= x^{\sin x}\)のように指数に関数が含まれている場合、その微分は実数同様に\(\small y^\prime = \sin x \cdot x^{\sin x -1}\)とはなりません。そのため、指数部分に関数が含まれる場合は対数微分法を使うようにしましょう。

使いどころ②は、3つ以上の関数の積や商を含む関数と書きましたが、例としては\(\small \displaystyle y=\frac{x^2(x+3)^3}{\sqrt{x^2+2}}\)のような関数です。あえて『3つ以上』としているのは、2関数の積・商の微分であれば、個人的には積の微分公式や商の微分公式を使う方が楽なことが多いからです。3つ以上の関数が関係してくると、一度2関数の積・商と見なして微分公式を使い、さらにもう一度積・商の微分公式を使うことで計算できないこともないですが、大変なので対数微分法を利用する方がよいと思います。

では、実際の問題を通して対数微分法の使い方を確認していきましょう。

【問題&解説】対数微分法を利用した微分の求め方

【問題1】指数に関数が含まれるパターン(難易度:★★☆)

【問題1】指数に関数が含まれるパターン(難易度:★★☆)

次の関数を微分せよ。
(1)\(\small y=x^{\sin x} \space (x > 0)\)
(2)\(\small \displaystyle y= (\log x)^{\log x} \space (x > 1 )\)

問題解決のKey
指数に関数が含まれる関数の微分は対数微分法を活用せよ。
 ☞【講義4】対数微分法はいつ使う?を参照。
 解説(1)

\(\small x > 0\)の範囲では、\(\small y = x^{\sin x} >0\)なので、求める関数の両辺の自然対数をとる

\begin{split}
&\small y=x^{\sin x}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \log|y|=\log |x^{\sin x}|\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \log|y|=\sin x \log |x|\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \log y=\sin x \log x \space (∵ x>0,y>0)\\
\end{split}

上式の両辺を\(\small x\)で微分すると

\begin{split}
&\small \displaystyle \frac{y^\prime }{y} =(\sin x \log x)^\prime \space ◀積の微分\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \frac{y^\prime }{y} =\cos x \log x + \sin x \cdot \frac{1}{x}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small y^\prime =y\left(\cos x \log x + \frac{\sin x}{x}\right)\\
\end{split}

最後の式に \(\small y = \)を代入することで\(\small x\)だけの式に整理すると

\begin{split}
&\small \color{red}{y^\prime =x^{\sin x}\left(\cos x \log x + \frac{\sin x}{x}\right) \space \cdots 【答】}\\
\end{split}

 解説(2)

\(\small x >1\)の範囲では\(\small \log x >0\)であるため、問題の両辺はそのまま自然対数をとると

\begin{split}
&\small \log |y| = \log |\log x|^{\log x}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \log y =(\log x)\cdot \log (\log x)\\
\end{split}

【補足】
\(\small \log x\)の正負が若干分かりにくいだろう。もちろん、絶対値を付けておいても間違いではないので、不安であれば絶対値を付けておくのが無難だ。

上式の両辺を\(\small x\)で微分すると

\begin{split}
&\small \displaystyle \frac{y^\prime }{y} =(\log x)^\prime \cdot \log (\log x)+\log x\cdot (\log (\log x))^\prime\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \frac{y^\prime }{y} =\frac{\log (\log x)}{x}+\log x\cdot \frac{1}{\log x}\cdot \frac{1}{x} \quad [*1]\\
\small \Leftrightarrow \space &\small y^\prime=y \left(\frac{\log (\log x)}{x}+\frac{1}{x} \right)\\
\small \Leftrightarrow \space &\small y^\prime=\color{red}{\frac{(\log x)^{\log x}(\log (\log x)+1)}{x}\space \cdots 【答】}\\
\end{split}

*1:【補足】\(\small \log (\log x)\)の微分
\(\small \log \)の中身に\(\small \log x\)が組み込まれた合成関数と見なせるので、合成関数の微分法を利用する。
まず\(\small \log ■\)の微分(\(\small (\log ■)^\prime = \frac{1}{■}\))をした後に、中身■の微分(■\(\small = \log x\)なので、中身の微分は\(\small (\log x)^\prime = \frac{1}{x}\))をしている。

【問題2】関数の積・商を含むパターン(難易度:★★☆)

【問題2】関数の積・商を含むパターン(難易度:★★☆)

次の関数を微分せよ。
(1) \(\small \displaystyle y= \frac{3x^2+1}{\sqrt{x^2+1}}\)
(2) \(\small \displaystyle y= \sqrt[3]{\frac{(x+2)^2}{x^2-1}}\)
(3) \(\small \displaystyle y= \frac{e^x \sin x}{(x+1)^2}\)

問題解決のKey
・対数微分法を使うか否かの判断基準は、積・商の微分公式を繰り返し利用する必要があるかで見極めが定石。積・商の微分公式を繰り返し利用しないと解けない微分は対数微分法を使う方が速く解けることが多い。
☞目安的な基準として3つ以上の関数の積・商が含まれる関数かで判断がおすすめ(【講義4】対数微分法はいつ使う?の使いどころ②)。
・両辺の自然対数をとるときは、真数部分が正であることを確認しよう。
 真数の正負に自信がない場合は、とりあえず絶対値を付けておけばOK

【知っトク】\(\small \log\)微分の小技
『\(\small \log \)(関数)』の微分は、\(\small \displaystyle \frac{(関数)^\prime}{\quad 関数 \quad}\) が成り立つ。
※ただし、\(\small (関数)^\prime\)は関数の微分の意
\(\small \log\)の中身を分母にして中身の微分を分子に持ってくればよい。

 解説(1)

2関数を商(割り算)した関数なので、商の微分公式

$$\small \left(\frac{f(x)}{g(x)}\right)^\prime = \frac{f^\prime(x)g(x)-f(x)g^\prime(x)}{\{g(x)\}^2}$$

を利用する方が計算が楽だろう。

上記公式に当てはめて計算すると

\begin{split}
&\small \displaystyle \left(\frac{3x^2+1}{\sqrt{x^2+1}}\right)^\prime \\
&\small = \frac{(3x^2+1)^\prime\sqrt{x^2+1}-(3x^2+1)(\sqrt{x^2+1})^\prime}{x^2+1}\\
&\small = \frac{6x \sqrt{x^2+1}-(3x^2+1)\cdot \frac{1}{2}(x^2+1)^{-\frac{1}{2}}\cdot 2x}{x^2+1} \quad [*1]\\
&\small = \frac{6x (\sqrt{x^2+1})^2-(3x^2+1)x}{(x^2+1)\sqrt{x^2+1}} \quad ◀通分\\
&\small = \color{red}{\frac{3x^3+5x}{(x^2+1)^{\frac{3}{2}}} \space \cdots 【答】}\\
\end{split}

【別解】対数微分法を利用した解法
\(\small x\)の値によらず\(\small 3x^2+1 >0\)、\(\small x^2+1>0\)であることから、微分する関数の両辺の対数をとると(対数の中身が常に正なので絶対値は不要)、
\begin{split}
&\small \displaystyle \log y = \log \left(\frac{3x^2+1}{\sqrt{x^2+1}}\right)\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \log y = \log (3x^2+1)-\log\sqrt{x^2+1}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \log y = \log (3x^2+1)-\frac{1}{2}\log(x^2+1)\\
\end{split}
上記を\(\small x\)に関して微分することで
\begin{split}
&\small \displaystyle \frac{y^\prime}{y} = \frac{6x}{3x^2+1}-\frac{1}{2}\frac{2x}{x^2+1} \space \color{#ef5350}{◀\log微分の小技}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime =y\left(\frac{6x}{3x^2+1}-\frac{x}{x^2+1}\right)\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime =\frac{3x^2+1}{\sqrt{x^2+1}}\left(\frac{6x}{3x^2+1}-\frac{x}{x^2+1}\right)\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime =\frac{6x}{\sqrt{x^2+1}}-\frac{x(3x^2+1)}{(x^2+1)^{\frac{3}{2}}}\space \color{#ef5350}{◀括弧を展開}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime =\frac{3x^2+5x}{(x^2+1)^{\frac{3}{2}}} \space \cdots 【答】\\
\end{split}

 解説(2)

微分する関数は全体に3乗根が含まれている。このように、複雑な指数が含まれる関数にも対数微分法が効果的である。

\(\small x+2\)も\(\small x^2-1\)もいずれも\(\small x\)の値によって負になる可能性があることから、両辺に絶対値を付けたうえで自然対数をとる

\begin{split}
&\small \displaystyle \log|y| = \log \left|\sqrt[3]{\frac{(x+2)^2}{x^2-1}} \right|\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \log|y| = \frac{1}{3}\log \left|\frac{(x+2)^2}{x^2-1} \right|\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \log|y| = \frac{1}{3}(2\log |x+2|-\log |x^2-1|)\\
\end{split}

両辺を\(\small x\)で微分することで

\begin{split}
&\small \displaystyle \frac{y^\prime}{y} = \frac{1}{3}\left(\frac{2}{x+2}-\frac{2x}{x^2-1}\right)\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime= \frac{y}{3}\cdot \frac{-4x-2}{(x^2-1)(x+2)} \space ◀通分\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime= \color{red}{-\frac{2}{3}\frac{2x+1}{(x^2-1)(x+2)}\sqrt[3]{\frac{(x+2)^2}{x^2-1}} \space \cdots【答】}\\
\end{split}

 解説(3)

\(\small e^x, \space \sin x, \space (x+1)^2\)の3つの関数の積商が含まれた関数の微分になるので、対数微分法を使って解くことを考える。

\(\small e^x > 0\)以外は\(\small x\)の値によって正の値にならない可能性があることに気を付けて絶対値を付けて両辺の自然対数をとると

\begin{split}
&\small \displaystyle \log |y| = \log \left| \frac{e^x \sin x}{(x+1)^2}\right|\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \log |y| = \log e^x +\log |\sin x| -\log|x+1|^2\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \log |y| = x +\log |\sin x| -2\log|x+1|\\
\end{split}

両辺を\(\small x\)で微分すると

\begin{split}
&\small \displaystyle \frac{y^\prime}{y}= 1 +\frac{\cos x}{\sin x} -\frac{2}{x+1}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle \frac{y^\prime}{y}= \frac{\cos x}{\sin x} +\frac{x-1}{x+1}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime= y\cdot \frac{(x+1)\cos x+(x-1)\sin x}{(x+1)\sin x}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime= \frac{e^x \sin x}{(x+1)^2}\cdot \frac{(x+1)\cos x+(x-1)\sin x}{(x+1)\sin x}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle y^\prime = \color{red}{\frac{e^x\{(x+1)\cos x+(x-1)\sin x\}}{(x+1)^3} \space \cdots 【答】}\\
\end{split}

本記事のまとめ

今回は対数微分法を使った微分方法といつ使えるのかについて解説してみました。知っているだけで微分の計算が楽になるので計算方法はしっかりマスターして使えるようにしておきましょう。

では最後に本記事のポイントをおさらいして終わりにしましょう。

重要ポイント
対数微分法とは
・微分したい関数の両辺の自然対数をとって微分する手法

どんな場面で使える?
指数に関数を含む関数を微分するとき
3つ以上の関数の積商を含む関数を微分するとき

絶対値は必要?
・対数の中身が正でなければいけないことから、どんな問題でも絶対値を付けておくのが無難
 ※ただし中身が常に正であれば絶対値なしでもOK

今回は以上です。お疲れさまでした!

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