【数学徹底解説】積の法則、和の法則の使い分け(場合の数、確率)

今日は確率の場合の数を求めるときに頻出の積の法則と和の法則の使い分けを説明します。

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積の法則と和の法則の使い分け

積の法則と和の法則のどちらを使うかの判断ポイントをまとめました。

積・和の法則の使い分け

片一方だけ起こることが、あるかないかで判断する!
・和の法則:片一方だけ起こることがある場合に使う
・積の法則:片一方だけ起こることはない場合に使う

和の法則を使った問題(1)

例題を通して、使い分けを説明していきます。

例題1

大小2つのサイコロを1回振ったとき、3の倍数になるのは何通りか。

解答

答えは、 2通りです。では質問です。今回は積の法則と和の法則、どちらを使ったでしょう?

ちょっと待ってください。どちらも使っていないと思いましたか?実は、今回は和の法則を使っています。
きっと答えにたどり着くまでに以下のように考えたはず。

3の倍数になるのは…
・サイコロの目が、「3」の場合が1通り
・サイコロの目が、「6」の場合が1通り
なので、全部で2通りだ!

このように、当たり前にそれぞれの場合を足し合わせしていたと思います。この足し合わせの作業を、数学では「和の法則」と 呼んでるだけなんです。この例では、サイコロの目が3の倍数になるのは3か6の目が出た場合で、1回サイコロを振ったときに、3か6のどちらか一方だけの目が出ますよね(3も6も両方でてしまうことはない)。

これが、和の法則を使うときのポイントである片一方だけ起こる場合があるということです。

和の法則を使った問題(2)

例題2

大小2つのサイコロを1回振ったとき、目の和が5の倍数になるのは何通りか。
解答

和が5の倍数になるのは、5と10の2通りあるので、場合分けして考えていきましょう。
◆和が5になる場合
・サイコロ大の目:1、サイコロ小の目:4の場合。
・サイコロ大の目:2、サイコロ小の目:3の場合。
・サイコロ大の目:3、サイコロ小の目:2の場合。
・サイコロ大の目:4、サイコロ小の目:1の場合。
の4通り。
◆和が10になる場合
・サイコロ大の目:4、サイコロ小の目:6の場合。
・サイコロ大の目:5、サイコロ小の目:5の場合。
・サイコロ大の目:6、サイコロ小の目:1の場合。
の3通り。
さて、あとはこの4通りと3通りを足すのか、掛けるのかですが、サイコロの目の和は、5になることもあれば、10になることもありますが、どちらか片一方だけしか起こらないですよね。つまり、和の法則で足し合わせて、 7通りが答えになります。

積の法則を使った問題

例題3

下図のように、A町からB町を経由してC町まで行く場合、そのルートは何通りか。

解答

A町からB町までのルートは3通り、B町から、C町までのルートは2通りです。では、今回は、積、和の法則どちらを使えばよいのでしょうか。例えば、下図のように、赤色の道で行くこともあれば、オレンジ色の道で行くこともあります。ただ、いずれの場合も、A町からB町、B町からC町の両方を通ります。A町からB町だけのルートやB町からC町までのルートだけでは、A町からC町まではたどり着けません。
このような場合、2つのルートは必ずどちらも通る(片一方だけ起こることはない)ので、積の法則を使います。
よって、答えは、3 × 2 = 6通りです。

積の法則/和の法則を用いた実践問題

最後にまとめの1問で終わりにしましょう。

まとめ問題

1,2,3,4の4つの整数を用いて3桁の整数を作るとき、偶数は何通り作れるか。

解答

1の位が偶数であれば偶数になるので、1の位は、2か4の2通りです。
あとは、先頭2桁は何でもいいので、以下のように場合分け。
①1の位が2の場合
100の位は1、3、4の3通り、10の位は、100の位で使わなかった2通りなので、片一方だけ起こることはない
(100の位も10の位もないと3桁の数字を作れない)ことから 積の法則で、3通り×2通り=6通り。
②1の位が4の場合
同様に、100の位は1、2、3の3通り、10の位は、100の位で使わなかった2通りなので、
積の法則から3通り×2通り=6通り。
①、②のパターンは、片方だけ起きることもある(偶数の整数を1つ作るときに1の位は2か4のどちらか)ので、和の法則より、 6通り+6通り=12通り

まとめ
積の法則と和の法則の使い分けは理解できましたか?今回は片一方だけ起こるかどうかという観点で、考えたのでかなり日本語に無理やり感があった部分もありましたが、イメージが持てれば問題ないです。この考え方は、場合の数を求めるうえで非常に重要な考え方なので ぜひこの機会にマスターしておきましょう。
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