皆さんは試験当日に緊張するタイプでしょうか?実は、適度な緊張感は集中力を高める効果があるため緊張すること自体は悪いことではありません。ただ、極度な緊張は試験には逆効果です。せっかく頑張って勉強したのに試験で実力が発揮できないのは非常にもったないですよね?
本記事では、定期テストや模擬試験、大学入試(共通テストや国公立・私立大学の一般選抜)などの試験で緊張をほぐすために実践すべきことについて、私個人の実体験をもとに徹底解説していきますので、ぜひ最後までチェックしていきましょう!
- 定期テストや大学受験でうまく実力を発揮できない人
- 試験当日に必要以上に緊張してしまう人
- 試験中に最大限実力を発揮するコツを知りたい人
本記事の要点
今回は、試験当日の緊張をほぐす方法というテーマについて解説していきますが、まずはじめに本記事の結論をお伝えします。
☆重要Point☆
・緊張すること自体は悪いことではない
・よい緊張を高め、悪い緊張をゼロにコントロールすることが大事
・悪い緊張を軽減するには、試験前の事前準備が重要
では、上記のポイントを念頭に置きながら、試験当日の緊張をほぐすための対処法について、一緒に確認していきましょう!
緊張を活かせる人・活かせない人
受験生には2パターンの人がいます。それは、試験当日に緊張でがちがちになってしまい本来の実力が発揮できない人と緊張をうまく活用して最大限の実力を発揮する人です。
では、これらの人の違いはどんな部分にあるのでしょうか?
緊張のコントロールがポイント
実力を発揮できる人とできない人の違いはズバリ、緊張をうまくコントロールできているか否かだと思います。
うまく実力を発揮できない人は試験本番で緊張に飲み込まれてしまいます。一方で、試験本番で勉強してきたことを100%発揮する人は、緊張をうまく利用して集中力を高めています。
数学力的には試験に合格できる能力があっても、緊張によって試験に合格できないのは非常にもったいないですよね?
では、緊張のコントロールが必要なことは分かったけど、具体的にはどうコントロールすればよいのでしょうか?
緊張は和らげるもの
必要以上に緊張してしまう人は、「どうして私だけ緊張しちゃうんだろう…」、「緊張さえしなければうまく実力が発揮できるのに…」といったように、緊張をどうにかしてゼロにしなきゃいけないと思っていませんか?
でも実は、緊張すること自体は悪いことではないのです。
アメリカの心理学者が提唱した「ヤーキーズ・ダットソンの法則」では、タスクのパフォーマンスを最大化するためには、緊張感が高すぎても低すぎてもダメという研究結果があります(ヤーキーズ・ドットソンの法則とは?)。
つまり、適度な緊張感は集中力を高める効果があるわけです。
【うまく緊張を活用しよう】良い緊張と悪い緊張
緊張には、試験に良い影響を与える緊張と悪い影響を与える緊張があります。
良い影響を与える緊張
・ケアレスミスをしないように落ち着いて解こう
・これまで勉強してきたことをあとはやるだけ
・忘れ物がないか再チェックしよう
・試験時間に遅れないように電車の乗り過ごしに注意しよう
悪い影響を与える緊張
・思ったよりも試験時間ギリギリ。間に合うかな…
・なんだか普段と違う雰囲気でそわそわするな…
・結構難しそうな問題が多いな。他の人は解けてるのかな…
・思ったよりも試験時間が短いな。全問解けるかな…
・この試験は絶対にミスできない ※逆境に強い人には効果もあり
・緊張感がない(眠気がする、頭がぼうっとする etc…)
良い緊張の共通点は、どれも前向きな思考になっています。一方で悪い緊張は、ネガティブ思考になっており、不安や自分でプレッシャーのハードルを高めるような思考になっています。
私の経験上、実力をしっかり発揮する受験生は、よい緊張を高め、悪い緊張がゼロになるような思考をしている人が多いです。これにより、試験時間中の集中力を最大化させ、しっかりとした実力が発揮できるようになるわけです。
緊張をほぐすためにやるべきこと7選
前章でも触れた通り、緊張をうまくコントロール・活用して実力を最大化するためには、よい緊張を高め、悪い緊張がゼロにすることが重要です。
本章では、具体的にどんなことをすればよいのかについて、試験前(試験前日までの期間)、試験前日、試験当日の3つに分けて詳しく解説していきます!
【試験前】試験情報を確認する
基本的なことですが、試験でしっかりと実力を発揮するためには、まずは受ける試験についてしっかりと情報収集しておくことが重要です。
●絶対に確認すべき試験情報
・試験範囲
・試験時間
・試験の形式(記述式orマークシートなど)
これらを事前に把握するだけで、効率的な試験勉強ができますし、結果として無駄な勉強時間を削減できるので、短時間で試験の点数を上げることができます。
【試験前】出題傾向にあった演習と対策
試験は限られた時間で指定された問題を解く力が求められます。よって、試験で実力を発揮するためには、出題されそうな問題を素早く解けることが重要になります。
そのためには、出題範囲の確認と、どんな難易度の問題が出題されるのかを確認し、自分の実力が十分かどうかを確認する必要があります。
・過去問と同じレベルの問題集をやり込む
・出題傾向から戦略を立てる
出題傾向を把握しよう
出題範囲と傾向の把握については、過去問がある試験であればしっかりと過去問を解くことでだいたいわかります。大学それぞれの問題の特徴や問題数、点数配分や時間配分をあらかじめ想定しておきましょう。
事前に試験時間がどのくらいで、どういう難易度の問題が何問くらいでるのかを知っておくことで、気持ちのゆとりが生まれ、緊張を和らげることにつながります。
レベルにあった問題集を解こう
試験のレベルについても、過去問で分かるので同じようなレベル感の問題集を見つけて、演習しましょう。
・過去問に出てきそうな問題が載っているか
・自分の今の実力と比較してちょっと難しめ(簡単すぎor難しすぎていない)か
・見た目がやる気が出るか
・問題数が多すぎないか
最終的には、試験のレベルにあった問題集をやり込むことが重要ではありますが、まだ実力が伴っていない場合は、いきなりハイレベルな問題集をやっても解けない問題が多くなり、モチベーション低下につながります。
なので、ちょっと勉強すれば理解できるレベルの問題集を見つけることがポイントです。
また、私の場合は、問題集を選ぶときは自分のやる気が上がるかを重視していました。意外と思う人も多いと思いますが、個人的に結構重要視していて、見た目がイマイチで読みにくかったりやる気がおきない問題集は買ってもやらないので、ちょっとでもいい感じのものを買うようにしています。
最後の問題数が多すぎないかについては、試験当日までに何回もやり込めるボリュームかということ。たまに分厚い問題集を見かけますが、だいたい買って満足してしまい、後半は一回も解かないなんて経験はあるあるですね。
しっかりと終わらせられる物量の問題集を選びましょう。
試験の戦略を考えよう
どんなに数学が得意な人でも出題傾向を把握せずに最大限の実力を発揮することはできません。
たとえば、とても体力に自信があるA君がぶっつけ本番でマラソンを走って上位をとれる確率はほぼゼロです。なぜならば、どのくらいの距離感なのかや平らなコースなのか山道なのかといったコース情報が分からないため、どの時点でどのくらいの体力が残っていればちょうど体力を使い切ってゴールできるのかが分からないからです。
これは、試験も同じです。「この大学は6割取れれば合格ライン」や「第3問は他の受験生も解けない難問傾向だから確認して解けそうになければ捨てて他の問題の見直しに時間を当てよう」といった戦略は、過去問の傾向と対策をした人にしかわからないことであり、数学の得意不得意とは別の話なのです。
【試験前】本番想定でリハーサルする
個人的には、試験中に緊張してしまう人に一番おすすめなのが、「本番想定のリハーサル」です。
やり方はシンプルで、実際の試験と同じような緊張感を作り出して実際に過去問を解くだけです。
●おすすめのリハーサル実施方法
・できるだけ本番と同じ状況を作る
✓本番の試験に着ていく服(または外着に着替えるだけでも効果的)を着ておく
✓時計や筆記用具も試験で使うものを机の上に用意しておく
✓解答用紙は記述式なら白紙、マークシート式ならマークシートを準備する
・スマホなどのタイマーを使用して試験時間を図る。
ただし、タイマーの時間は見ずに時間管理は時計を利用する。
・試験時間内で過去問を解く
つまり、何が言いたいかというと、できるだけ本番と同じ状況を作りだして試験の緊張感を疑似体験しておけ!ということ。
人は誰でも初めてのことをやろうとすると緊張します。ただ、同じことでも2回、3回と経験するうちに、試験の雰囲気に慣れて緊張が和らいでいきます。
ということは、ぶっつけ本番で試験に臨むよりも、本番と同じ緊張感を味わっている人の方がその時点ですでに精神的に有利な状態になるわけです。
他にもリハーサルをやるメリットがあります。それが、本番特有の注意点に気づけることです。
例として私個人の話をあげると、高1模試でデジタル時計を付けて行こうとしていたのですが、家でリハーサルをしたときに「デジタル時計だと残り時間が何分なのか分かりにくい…」ということに気づき、家にあるアナログ時計に変えて試験に臨んだところ、残り時間が視覚的にわかりやすくなり、時間管理がしやすくなったという経験があります。
●その他事前リハーサルで気づけること
・シャーペンの芯の変えを忘れてた
・試験用に持って行こうとしている消しゴムが消しにくいことが分かった
・マークシート試験はシャーペンより鉛筆の方が早い
・コンパス定規が必要な試験なのに入れ忘れてた
このようなことも、事前に検知することができますね。
なので、リハーサルによって疑似体験をしておくことで本番でのミス予防になりますし、何より安心して試験に臨むことができます。家でのリハーサル以外に、より本番に近づけるためには、各予備校が実施しているプレ模試を受験するのもありでしょう。
・リハーサルをすることで余計な心配ごとがなくなり、試験に集中できる!
【試験前】試験会場の下見をしておく
試験会場が行ったことがない場所なら下見に行くことをおすすめします。
特に、大学受験であれば、大学のオープンキャンパスや説明会などの機会に家から大学までの電車ルートや最寄り駅から大学までのルート、大学キャンパス内の雰囲気などは絶対に一度は確認しておきましょう。
当日の試験に集中したいのに、「この電車であってるかな…」といった余計な不安があると、試験会場にたどり着くまでに脳のエネルギーを無駄に消費してしまいます。
事前に下見をしておけば、知っているルート、見慣れた場所で試験を受けることができ、試験当日の不安を和らげることができます。
【試験前日】しっかり睡眠をとる
私が受験生だった頃に試験前日に一番気を付けていたことは体調管理です。どれだけ勉強していても試験当日に体調を崩してしまっては実力発揮すらできません。
試験前日の夜になると、残り僅かな時間であれもこれもとやりたいことを詰め込みたくなりがちです。でも、たいていは前日の夜遅くまで一夜漬けで詰め込んだことが試験の結果につながることはほぼありません。
それどころか、逆に一夜漬けの勉強をすることは以下のような逆効果を生み出す可能性があります。
●試験前日に一夜漬けするデメリット
・睡眠時間が減り、試験当日の思考力・注意力が低下する
・知らない知識や解けない問題を見つけると精神的に不安になり、試験当日の自信低下につながる
・夜遅くの勉強は効率が悪く勉強した割に記憶に定着しない
・夜遅くまでの勉強は体調を崩す原因となり、試験が受けられなくなる
このように、一夜漬けの勉強は百害あって一利なしなので絶対にやめましょう。
【試験当日】余裕を持って試験会場へ
試験会場までの電車やバスなどの公共交通機関の時間は、時間的余裕をもってゆっくりと会場に向かいましょう。
●時間的余裕を持つメリット
・万が一公共交通機関が遅れたり電車の乗り間違えをしてしまっても試験時間には間に合う
・精神的に落ち着くことができ、試験中も落ち着いて問題を解ける
※試験時間ギリギリで焦った状態で試験に臨むとケアレスミスの原因に…
・試験会場のトイレは意外と混みがち。先についておけば空いているので時短効果あり。
・冬場だと到着後10分程度は手がかじかむので、早めに到着すれば手を暖められる。
私が学生時代に警備員のバイトをしていたとき、どんな現場でも絶対に遅れない先輩がいたのですが、その先輩が、「どんな現場にも1時間前にはついて近くのファミレスで時間を潰すようにしてる。早く着いておけば絶対に遅れることはないから。」と言っていたのを思い出しました。
受験会場は意外と早くから空いています。会場の入室可能時間を確認したうえで、60分前くらいの到着を目指して向かうようにしておきましょう。
【試験当日】緊張はポジティブワードに変換
最後はやっぱり精神論(笑)。
試験当日に緊張するのは当たり前です。なので、いかに緊張を和らげるかを考える方が建設的でしょう。
そこでおすすめなのが、緊張をポジティブワードに変換する方法です。
●ポジティブワードへの変換例
・問題が解けるか不安…
✓これまでしっかり勉強してきたんだから大丈夫!
✓全問正解を目指す必要はない。解ける問題を確実に解こう!
・この試験は絶対ミスできない…
✓体調万全で、試験会場にも無事たどり着けた時点で最低ライン突破
✓人生には絶対的な正解はない。うまくいかないこともまた人生
変換するときのポイントは、「実際に本当かどうかは関係ない」ということ。私はよく難問に遭遇したときには、「自分が解けないなら他の人も解けない」と思っていましたが、実際はそんなことはなくって、解けていた受験生はたくさんいたと思います(笑)。
でもポイントなのは、あくまで自分が落ち着けるかどうかなので、人によって落ち着ける変換方法は異なります。
緊張してしまったときは、うまくポジティブな感じに変換してみましょう!
本記事のまとめ
今回は試験への緊張をほぐす方法について7つ解説していきましたがいかがでしたか?
ここで紹介した方法が少しでも受験生の皆さんの参考になればうれしいです。
また、ここで紹介した方法以外にも皆さんがの中で実践していることなどがあればぜひコメント欄に記載いただけると嬉しいです。
では今回はここまでです。お疲れさまでした!皆で頑張って受験を乗り切りましょう!
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