円順列の問題で、「なぜ公式が\(\small (n−1)!\)になるのか分からない」「隣り合う・向かい合う条件がある問題が苦手」「数珠(じゅず)順列との違いが曖昧」と感じていませんか?
本記事では、円順列の基本的な考え方から公式の意味、成り立ちを丁寧に解説します。さらに、隣り合う・向かい合う(対面)並び方を求める典型問題の解き方や、数珠(じゅず)順列の見分け方まで具体例を使って整理しています。順列が苦手な高校生でも、仕組みからしっかり理解できる内容になっているので、一緒に確認していきましょう!
円順列とは?基本の考え方と公式の意味をわかりやすく解説
円順列の定義(直線の順列との違い)
円順列とは、円形にものを並べるときの並べ方こと意味しています。順列がものを1列に並べるという意味だったので、頭に「円」が付いて円形に並べるという意味になるというのは直感的にもイメージしやすいと思います。
回転して一致とは?円順列の場合の数の考え方
1直線上に並べる順列と円形に並べる円順列は並べる際の形が違うわけですが、形が異なると場合の数の求め方にどのような違いが出てくるのでしょうか?
実は円形に並べる場合、回転することで同じ並び方になることがあります。どういうことか具体例で確認してみましょう。
イメージするために、実際に円形のテーブルにA、B、Cの3人が座る場合の数をかいてみると以下のようになります。

一見すると上記の6パターンが座り方の総数に思えますが、これらの中に同じ座り方がいくつか含まれています。たとえば、①と③と⑤はどちらもAから見ると右側にB、左側にCがいるように見えるので、座り方としては同じです。同様に②と④と⑥はいずれもAから見ると右側にC、左側にBがいるので同じ座り方になっています。よって、3人が円形のテーブルに座る座り方は2通り…【答】になります。
このように円順列の場合、お互いを回転させると同じ並び方になるものは1通りとしてカウントする必要があります。
1人を固定して考える理由
前章で見たように、円形に並べたパターンに対して、回転して一致するかを確認するのは結構大変です。そこで円順列の場合の数を求めるときには、1人を固定して考えるというテクニックを使います。理由は、1人を固定することで、回転して一致するパターン同士の並び方が分かりやすくなるからです。
たとえば、前章で解説した3人を円形のテーブルに座らせる問題の場合、①~⑥まで挙げた並べ方をAが①の位置になるように回転させてみてください。

すると上記のように、①,③,⑤、②,④,⑥が完全に同じ並べ方だということが一瞬で分かります。このように、1人を固定しておけば回転を防げるので円のような回転対称の形に並べる場合に便利です。
そしてこの図からもう一つ分かるのが、円形テーブルへの並べ方は、Aに対して右側にB、左側にCの場合と右側にC、左側にBの場合の2パターンしかないということです。つまり、1人を固定したら、残りの人たちが並ぶ場合の数の総数が円順列の場合の数になります。
今回の例題であれば、3人のうち固定した1人を除く2人を並べる順列は2!=2通りとなり、円順列の場合の数と一致していることが分かります。
円順列の公式と(n-1)!になる理由
円順列では回転して一致する並べ方を重複して数えることを防ぐために、1人を固定して残りの人たちを並べる順列を考えれば求めることができることを解説しました。このことを踏まえると、円順列の場合の数は一般に次のように求めることができます。
\(\small (n-1)!\)となっている理由は、\(\small n\)個のうち1個を固定した残りである\(\small n-1\)個を並べる総数を考えるからです。
円形に並べるときに、なぜ\(\small (n-1)!\)通りと考えてよいのかをもう少し詳しく解説しておきます。円順列では、回転によって同じ並びが重複してしまう点に注意が必要ですが、すでに1人を固定することでこの重複は取り除かれています。そのため、あとは\(\small n-1\)個を\(\small n-1\)個の場所に自由に並べる総数を考えればよいことになります。これは、もはや円ではなく「ものを1列に並べる場合」と同じ状況になるため、順列として\(\small (n-1)!\)通りと考えることができるわけです。
円順列の典型問題の解き方
【問題1】円順列の基本問題
・円順列の総数は、\(\small (n-1)!\)で求めればOK。
円形に並べることから円順列の問題として考えます。円順列の公式より、\(\small (6-1)!=5!\)\(\small =5\times4\times3\times2\times1=\color{red}{120}\)通り…【答】。
【問題2】隣り合う円順列(3人が隣り合う)
・条件がある部分(今回であれば「隣り合う」部分)を固定すると考えやすい。
・かたまりの中身は順列として考える。
男子3人をひとかたまりとして、男子のかたまり+女子2人の合計3つを円形に並べる円順列として考えます。
まず、男子3人ひとかたまりを固定すると、この円順列の総数は、\(\small (3-1)!=2\)通り…①です。
次に、ひとかたまりとしていた中身の並び方を考えます。男子3人を並べる通り数なので、\(\small 3!=6\)通り…②と求められます。
よって、①、②をかけ合わせることで求める総数は、\(\small 2 \times 6 =\color{red}{12}\)通り…【答】.
【問題3】向かい合う(対面)円順列

向かい合う1と3を固定して残り4つを自由に並べると考えると、\(\small 4!=\color{red}{24}\)通り…【答】.
数珠(じゅず)順列とは?円順列との違いをわかりやすく解説
数珠順列の定義
数珠(じゅず)順列とは、円順列に裏返しを考慮した並び方のことを指します。具体例としては名前にもあるように数珠や首飾り、腕輪、ブレスレット、ネックレスなど、円形で裏返せるものについての並べ方を考えるときは数珠順列を使います。
円順列との違い(円順列と数珠順列の見分け方)
数珠順列は、円順列と比べて、反転したときに同じ並び方を1通りとみなすという点が大きな違いです。
円順列では、円形テーブルへの座り方や円形テーブル上での物の並べ方のように、基本的に裏返すことができない状況を考えます。そのため、「回転して一致する場合のみ」を同一とみなしていました。
一方で、首飾りのように裏返すことができる場合は、回転だけでなく反転によって一致する並び方も同一とみなす必要があります。
・数珠順列:反転(ひっくり返し)できるものを円形に並べる並べ方
問題文中に、首飾りやブレスレッドなど裏返しできる円形のものが出てきたときは数珠順列を意識しましょう。
数珠順列の公式と求め方
では、数珠順列になることで場合の数の求め方はどのように変わるのかを具体例で確認してみましょう。
異なる3つの宝石を区別できるようにA、B、Cと名前を付けておきます。
A~Cを机などのひっくり返せない場所で円形に並べる場合は、円順列として\(\small (3-1)!=2\)通りと計算できました。
しかし、ブレスレットの場合は表裏をひっくり返せるので、反転して同じ並べ方になる場合を考慮する必要があります。

①、②は反転すると同じ並べ方になるので、作れるブレスレットは1種類…【答】になります。
このように、数珠順列では、円順列で数えた並び方のうち、反転前と反転後の2通りが同じものとして扱われます。そのため、一般に数珠順列の総数は円順列の半分になります。
数珠順列の典型問題の解き方
【問題1】数珠順列の基本問題
・数珠順列の問題は、円順列の総数を求めて半分にせよ!
ネックレスは裏返しができる円形のものなので、数珠順列を使って解けばよいと判断できます。
円順列としての総数は、\(\small (5-1)!=24\)通りなので、数珠順列の総数は円順列の半分になることから、\(\small 24÷2=\color{red}{12}\)通り…【答】.
【問題2】条件がある数珠順列(隣り合う)
隣り合うA, Bをひとまとまりと考えて固定すると、円順列は残りのC, D, Eを並べればよいので、\(\small 3!=6\)通り。ひとまとまりの中身はA, Bの2つを並べる総数なので\(\small 2! = 2\)通り。
よって、\(\small 6 \times 2 =12\)通りが円順列の場合の総数です。
今回は首飾りなので、数珠順列で考える必要があることから、円順列の総数を半分にすることで、\(\small 12 ÷ 2 =\color{red}{6}\)通り…【答】となります。
円順列・数珠順列の応用問題
【応用問題】立方体の塗分け(5色・6色)
(1)異なる6色をすべて使って塗る方法は何通りか。
(2)異なる5色をすべて使って塗る方法は何通りか。
・上面と下面が異なる色なら、反転したときに上下の区別がつくため円順列
・上面と下面が同じ色なら、反転したときに上下が区別できないため数珠順列
異なる6色をA, B, C, D, E, Fとしておきます。
立方体は形が対称的なので、回転を防止するために上面の色をAで固定します(色は何でもOK)。上面の反対側(下面)は残りのB~Fの5通り…①の塗り方があります。
最後に側面の4面の塗り方については、面が円形に位置しており、上面と下面が異なる2色で塗られていることから反転は別物(上下の区別がつく)となるため、円順列で考えることができます。
よって、側面の塗り方の総数は\(\small (4-1)!=\)6通り…②です。
①、②から、総数は\(\small 5 \times 6=\color{red}{30}\)通り…【答】となります。
5色で6面を塗るため、必ずどこか2面は同じ色になります。さらに、「隣り合う面は異なる色で塗る」という条件があるため、同じ色になる2面は隣り合うことができません。したがって、同じ色の面は正反対の位置にくることが分かります。
立方体をA~Eの5色で塗るとします。ここで、上面と下面には同じ色を塗るとしましょう。上面と下面に使う色は、5色の中から自由に選べるので、5通り…①です。
次に、側面4面の塗り方の総数を考えます。(1)では上面と下面が異なる色だったため、反転すると上下が入れ替わり、別のものとして区別できました。しかし今回は、上面と下面が同じ色で塗られているため、反転しても区別がつきません。したがって、反転によって一致する並び方は同一とみなすことになり、数珠順列として考える必要があります。
よって、側面の塗り方の総数は、\(\small (4-1)!=6\)通りの半分で3通り…②です。
①、②より総数は、\(\small 5 \times 3 = \color{red}{15}\)通り…【答】と求めることができます。
本記事のまとめ
今回は、円順列の基本的な考え方や公式の意味、さらに数珠順列との違いや典型問題の解き方について解説しました。
円順列では、「回転して一致する並べ方を同一とみなす」という点が重要であり、その重複を防ぐために1つを固定して考えるのがポイントでした。また数珠順列では、回転に加えて裏返しも同一とみなすため、円順列の並べ方の半分になることも確認しました。
こうした考え方は、実際に問題を解く中でより深く理解できます。問題集などで類題演習を重ね、着実に実力を伸ばしていきましょう。
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順列に関する理解をさらに深めたい人は、他の記事もぜひ参考にしてください。
・【順列の応用】領域の色塗分け問題の解法
・【重複組み合わせ】整数解、サイコロ問題の解き方、重複順列との違い
今回は以上です。お疲れさまでした!


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