高校数学では、関数をそのまま扱うことがほとんどですが、大学数学では「複雑な関数を簡単な式で近似する」という考え方が非常に重要になります。
その代表例が「マクローリン展開」です。
そこで本記事では
・マクローリン展開とは何か
・マクローリン展開の公式の証明
・テイラー展開との違い
・マクローリン展開でよく使う公式集
・マクローリン展開の使い方
について、大学数学への入口として分かりやすく解説していきます。
注意事項
本記事では、分かりやすさを重視するため、数学的な厳密さに欠ける部分がある点は
予めご了承くださいm(__)m
マクローリン展開とは?
マクローリン展開を一言で説明すると、関数を多項式の形で表す方法のことです。
つまり、とある関数を
$$\small f(x)= a_0+a_1x+a_2x^2+\cdots$$
のような形で表すことを「マクローリン展開する」と言います。
マクローリンさんが考えた方法であり、関数を多項式の形にする様子が、\(\small (x+1)(x+2)=x^2+3x+2\)のような「展開」に似ていることから「マクローリン展開」という名前がついています。
具体的な定義はこのあと解説しますが、関数を多項式で表せることで「微分積分」や「極限の計算」が圧倒的に簡単になります。
また、\(\small \sin x\)や\(\small \log (x+1)\)などは\(\small x\)の値が分かっても具体的な値を求めることができませんが、マクローリン展開で\(\small x^n\)の多項式で表すことができれば、\(\small x\)に値を代入するだけで、簡単に値(正確には近似値)を求めることができます。
つまり、複雑な関数を「扱いやすい形」に変換するのがマクローリン展開の役割だといえます。
実際に、マクローリン展開は大学数学だけでなく、物理学や工学など幅広い分野で活用されており
・関数解析
・微分方程式
・物理学
といった分野では欠かせない重要な考え方になっています。
マクローリン展開の公式|定義と意味を分かりやすく解説
マクローリン展開の定義
マクローリン展開は次のような公式で表されます。
$$\small \displaystyle f(x)=\sum_{n=0}^\infty \frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n$$
が成り立つ。
式中に出てくる\(\small f^{(n)}\)は、関数\(\small f(x)\)の\(\small n\)階微分を表します。
また、\(\small f^{(n)}(0)\)は、\(\small n\)階微分した関数に\(\small x=0\)を代入した値を表します。
余談( ..)φ
無限和の中に\(\small f^{n}\)が含まれているため、関数\(\small f(x)\)が「無限回微分可能」という前提条件が冒頭に記載されていますが、「無限回微分可能」である関数のことを大学数学では「関数\(\small f(x)\)が\(\small C^{\infty}\)級である」などと表現します。なんかカッコいい。
マクローリン展開の公式をみて、これが多項式と言われてもイメージしにくいと思うので、最初の方の項をいくつか具体的に書き下してみるとこんな感じになります。
\begin{split}
\small \displaystyle f(x) &\small \displaystyle= \frac{f^{(0)}(0)}{0!}x^0+\frac{f^{(1)}(0)}{1!}x^1+\frac{f^{(2)}(0)}{2!}x^2+\cdots\\
&\small \displaystyle= f(0)+f^{(1)}(0)x+\frac{f^{(2)}(0)}{2}x^2+\cdots\\
\end{split}
ただし、\(\small f^{(0)}\)は定義から関数の0回微分なので、関数\(\small f(x)\)自身である点に注意しましょう。
マクローリン展開の具体例
では、関数 \(\small f(x)=e^x\)を例に、実際にマクローリン展開をしてみましょう。
\(\small f^\prime (x) = e^x\)、\(\small f^{\prime\prime} (x) = e^x\)、…のように関数\(\small f(x)=e^x\)は無限回微分可能な関数であり、その値は\(\small e^x\)で変わらないので、
$$\small f^{(n)}(x)=e^x$$
ゆえに、
$$\small f^{(n)}(0)=e^0=1 \quad \cdots ①$$
よって、マクローリン展開すると
\begin{split}
\small \displaystyle f(x) &\small \displaystyle= \sum_{n=0}^\infty \frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n\\
&\small \displaystyle= \sum_{n=0}^\infty \frac{\color{#ff0055}1}{n!}x^n \quad \color{#ff0055}{◀①を利用}\\
&\small \displaystyle= \frac{1}{0!}x^0+ \frac{1}{1!}x^1+ \frac{1}{2!}x^2+ \frac{1}{3!}x^3+\cdots\\
&\small \displaystyle= \color{red}{1+ x+ \frac{x^2}{2}+ \frac{x^3}{6}+\cdots \quad \cdots【答】}\\
\end{split}
【別解】
\(\small \displaystyle e^x =\sum_{n=0}^\infty \frac{x^n}{n!}\)でも正解です。
マクローリン展開の証明|なぜこの形になるのか?
では、なぜこの公式になるのかについて解説していきます。
証明自体は意外とシンプルで、高校数学の範囲で十分理解できます。
証明の指針
まず、関数 \(\small f(x)\)が無限和の多項式で
$$\small f(x)=a_0+a_1x+a_2x^2+a_3x^3+\cdots \quad \cdots (*)$$
と表せると仮定します。
実際にこの形で表せることを証明するためには、各項の係数\(\small a_n\)(\(\small n=0,1,2,\cdots\))を具体的に求めることができればよいことになります。
では、具体的に係数を求めていきましょう。
\(\small a_0\)の値を求める
まず一番簡単なのが定数項 \(\small a_0\)です。
\(\small a_0\)の値を求めたければ\(\small (*)\)に\(\small x=0\)を代入してあげればよいので、
$$\small a_0=f(0)$$
となります。
このように、\(\small x=0\)を代入することで\(\small x\)が含まれない項だけ残るというのがポイントです。
\(\small a_1\)の値を求める
では、続いて\(\small a_1\)を求めていきます。
今回は\(\small a_0\)のときとは異なり、\(\small x\)の係数となっているため、そのまま\(\small x=0\)を代入しても消えてしまいます。
そこで、\(\small (*)\)の両辺を\(\small x\)で1回微分してあげると
$$\small f^{(1)}(x)=a_1+2a_2x+3a_3x^2+\cdots$$
となり\(\small x\)が消えるので、この状態で式の両辺に\(\small x=0\)を代入することで
$$\small a_1 = f^{(1)}(0)$$
と求めることができます。
\(\small a_2\)の値を求める
同様に、今度は\(\small a_2\)の値を求めてみましょう。
先程の1回微分した式の両辺をもう1回微分することで
$$\small f^{(2)}(x)=2a_2+3\cdot 2a_3x+\cdots$$
となるので、
\begin{split}
&\small f^{(2)}(0) =2a_2\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle a_2 =\frac{1}{2}f^{(2)}(0)\\
\end{split}
のように求めることができます。微分係数の前に\(\small \displaystyle \frac{1}{2}\)がつくのは、もともと\(\small a_2\)は\(\small x^2\)の係数だったので、\(\small (*)\)の式から計2回微分したことで指数の2が出てくるからです。
\(\small a_3\)の値を求める
感覚を掴むために、最後に\(\small a_3\)の値も求めてみましょう。
$$\small f^{(3)}(x)=3\cdot 2 a_3+4\cdot 3\cdot 2 a_4x+\cdots$$
より
\begin{split}
&\small f^{(3)}(0) =3\cdot 2a_2\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle a_3 =\frac{1}{3!}f^{(3)}(0)\\
\end{split}
となります。
微分係数の前に\(\small \displaystyle \frac{1}{3!}\)がつく理由は、\(\small a_2\)の時と同じような理屈で説明できます。今回は、\(\small (*)\)の式から計3回微分をしたことで、1回目の微分で\(\small x^3\)の指数の3が前に降り、2回目の微分で\(\small x^2\)の指数の2が前に降り、3回目の微分で\(\small x\)の指数の1が前に降りて、結果的に「\(\small 3\cdot 2\cdot 1=3!\)」のように階乗が現れることになります。
\(\small a_n\)の値を求める
同様に考えると、一般的に\(\small (*)\)の\(\small x^n\)の係数\(\small a_n\)は、両辺を\(\small n\)回微分した式に\(\small x=0\)を代入することで求めることができます。
すなわち
\begin{split}
\small f(x) &\small =\cdots+a_{n-1} x^{n-1}+\color{#ff0055}{a_n x^n}+a_{n+1} x^{n+1}+ \cdots\\
\small f^{(1)}(x) &\small =\cdots+(n-1)a_{n-1} x^{n-2}+\color{#ff0055}{n a_n x^{n-1}}+(n+1)a_{n+1} x^{n}+ \cdots\\
\small f^{(2)}(x) &\small =\cdots+(n-1)(n-2)a_{n-1} x^{n-3}\\
&\small \quad +\color{#ff0055}{n(n-1) a_n x^{n-2}}+(n+1)na_{n+1} x^{n-1}+ \cdots\\
&\small \vdots\\
\small f^{(n)}(x) &\small =\color{#ff0055}{n(n-1)\cdots 2\cdot 1 a_n} +(n+1)n\cdots 2 a_{n+1} x+\cdots \quad [*1]\\
\small \Leftrightarrow \space f^{(n)}(0) &\small =n!a_n\\
\small ∴ \space a_n &\small =\frac{f^{(n)}(0) }{n!}\\
\end{split}
*1:補足
\(\small n\)回微分すると、\(\small x^{n-1}\)以下の項はすべて0になり消えます。
また、\(\small x^{n+1}\)以降の項は、\(\small n\)回微分しても\(\small x\)が1乗以上残るので、\(\small x=0\)を代入することで0となり消えます。
よって、残るのは\(\small x^n\)の項のみとなります。
関数を多項式で表す
よって、最初に仮定した無限和の多項式 \(\small (*)\)は
\begin{split}
&\small \small f(x)=a_0+a_1x+a_2x^2+a_3x^3+\cdots\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle f(x)=\sum_{n=0}^\infty a_nx^n\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle f(x)=\sum_{n=0}^\infty \frac{f^{(n)}(0) }{n!}x^n\\
\end{split}
となり、マクローリン展開の定義式が証明できました。
マクローリン展開の応用例|複雑な関数の近似
マクローリン展開がx=0まわりでの近似に使える理由とは?
マクローリン展開によって、関数が多項式で表せることを利用することで、複雑な関数をシンプルな多項式に近似することができます。
例えば、冒頭で具体例として求めた指数関数 \(\small e^x\)は、マクローリン展開を用いると
\begin{split}
\small \displaystyle e^x &\small \displaystyle=\sum_{n=0}^\infty \frac{x^n}{n!}\\
&\small \displaystyle=1+x+\frac{x^2}{2}+\frac{x^3}{6}+\cdots\\
\end{split}
と表せました。
ここで仮に\(\small x\)が0.01のような非常に小さい値だった場合、マクローリン展開した多項式は
・\(\small x^2=0.0001\)
・\(\small x^3=0.000001\)
・\(\small x^4=0.00000001\)
のように指数が大きくなるにつれて項の値がどんどん小さくなるため、和の後ろの項はほぼゼロと見なすことができます。
そこで、マクローリン展開した無限和を途中で打ち切って
$$\small \displaystyle e^x ≒1+ x$$
のように近似することができます。
最初の方の項で打ち切りするほど、式の形はシンプルになりますが、近似の精度は低くなります。逆に後ろの方の項まで残すほど近似の精度は高まりますが、計算が大変になります。
実際に\(\small \displaystyle e^x ≒1+ x\)の近似式を使って\(\small e^{0.01}\)の値を求めると、
$$\small \displaystyle e^{0.01} ≒1+ 0.01=1.01$$
と簡単に値を求めることができます。実際の値は\(\small e^{0.01}=1.01005\cdots\)のため、かなり近似の精度としては高いことが分かります。
マクローリン展開で近似するときの注意点
マクローリン展開は関数を多項式で近似する便利な方法ですが、どのような場合でも精度よく近似できるわけではありません。
一般に、マクローリン展開は \(\small x=0\) の近くで近似の精度が最も高くなります。理由は、展開式を途中で打ち切ったときに生じる誤差が、\(\small x\)が 0 に近いほど小さくなるためです。
一方、\(\small x\) が 0 から離れるほど、高次の項の影響を無視できなくなり、打ち切りによる誤差が大きくなることがあります。そのため、マクローリン展開を用いる際は、「 \(\small x=0\) の近くでの近似」であることを意識することが大切です。
【補足】
\(\small x\)の値が0からどのくらい離れていても近似の精度が落ちないかは、関数によって異なります。この範囲は、収束半径と呼ばれます。
マクローリン展開とテイラー展開との違いとは?
マクローリン展開とよく似たものに「テイラー展開」があります。
マクローリン展開では、\(\small x=0\)の近くでしか近似ができませんでしたが、これを一般化して\(\small x=a\)の近くで近似ができるようにした式がテイラー展開になります。
そのため、テイラー展開の定義式はマクローリン展開の式を\(\small x\)方向に\(\small a\)だけ平行移動することで得ることができます。
$$\small \displaystyle f(x)=\sum_{n=0}^\infty \frac{f^{(n)}(a)}{n!}(x-a)^n$$
が成り立つ。
【補足】
マクローリン展開はテイラー展開における\(\small a=0\)の特殊な場合と見なすことができます。
主な関数のマクローリン展開|公式一覧
大学数学や高校数学の極限計算でよく使う公式をまとめました。
指数関数(ネイピア数 e)
\begin{split}
\small \displaystyle e^x &\small \displaystyle = 1+x+\frac{x^2}{2!}+\frac{x^3}{3!}+\cdots\\
&\small \displaystyle = \sum_{n=0}^\infty \frac{x^n}{n!}\\
\end{split}
正弦関数(sin x)
\begin{split}
\small \displaystyle \sin x &\small \displaystyle =x-\frac{x^3}{3!}+\frac{x^5}{5!}-\cdots\\
&\small \displaystyle = \sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^nx^{2n+1}}{(2n+1)!}\\
\end{split}
余弦関数(cos x)
\begin{split}
\small \displaystyle \cos x &\small \displaystyle =1-\frac{x^2}{2!}+\frac{x^4}{4!}-\cdots\\
&\small \displaystyle = \sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^{n}x^{2n}}{(2n)!}\\
\end{split}
等比級数型
\begin{split}
\small \displaystyle \frac{1}{1-x} &\small \displaystyle =1+x+x^2+x^3+\cdots\\
&\small \displaystyle = \sum_{n=0}^\infty x^n\\
\end{split}
ただし、\(\small -1<x<1\)が収束条件。
【補足】
この関係式は、初項1、公比\(\small r\)の無限等比級数の和の公式
$$\small \displaystyle 1+r+r^2+r^3+\cdots = \frac{1}{1-r}$$
と同じであることが分かります。
対数関数
\begin{split}
\small \displaystyle \log(x+1) &\small \displaystyle =x-\frac{1}{2}x^2+\frac{1}{3}x^3-\cdots\\
&\small \displaystyle = \sum_{n=1}^\infty \frac{(-1)^{n-1}}{n}x^n\\
\end{split}
ただし、\(\small -1< x ≦1\)が収束条件。
マクローリン展開の使い方|極限・近似計算の例題を解説
本章では、実際に問題を解きながら、マクローリン展開の使い方を解説していきます。
【問題1】マクローリン展開を使った極限の求め方
\begin{split}
\small \displaystyle \sin x &\small \displaystyle =x-\frac{x^3}{3!}+\frac{x^5}{5!}-\cdots\\
\end{split}
を用いると、
\begin{split}
&\small \displaystyle \lim_{x\to 0}\frac{\color{#ff0055}{\sin x}-x}{x^3}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle =\lim_{x\to 0}\frac{\color{#ff0055}{\left(x-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\cdots\right)}-x}{x^3}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle =\lim_{x\to 0}\frac{-\dfrac{x^3}{3!}+\dfrac{x^5}{5!}-\cdots}{x^3}\\
\small \Leftrightarrow \space &\small \displaystyle =\lim_{x\to 0}\left(-\frac{1}{3!}+\frac{x^2}{5!}-\cdots \right)\\
\small ∴\space &\small \displaystyle =\color{red}{-\frac{1}{6}\quad \cdots 【答】}\\
\end{split}
【問題2】マクローリン展開を使った近似値の求め方(基礎問題)
1°を弧度法に直すと\(\small \displaystyle 1°= \frac{\pi}{180}\)なので、求める値は、\(\small \displaystyle \sin \frac{\pi}{180}\)になります。
【補足】
\(\small \sin x\)の引数\(\small x\)は弧度法(\(\small \pi\)を使って角度を表す方法)の値であることに注意しましょう。普段はあまりに意識しないですが、たとえば、\(\small \sin x\)の周期は\(\small x=360°\)ではなく、\(\small x=2\pi \)と表してるのは弧度法で表記しているからです。
ここで、\(\small \displaystyle \frac{\pi}{180}≒0.0174\cdots\)であり、\(\small x=0\)に近い値であることから、マクローリン展開の公式
$$\small \displaystyle \sin x ≒x$$
と近似することができるので、
$$\small \displaystyle \sin \frac{\pi}{180} ≒\color{red}{\frac{\pi}{180}\space (=0.01745\cdots) \space \cdots【答】}$$
【補足】
\(\small \displaystyle \frac{x^3}{3!}\)の項から後ろを削ったのは、本問では\(\small \displaystyle x≒0.017=\frac{17}{1000}\)なので、3乗すると\(\small \displaystyle x^3=\frac{●}{10^9}\)のように初項の\(\small 0.017\)に比べて無視できるほど小さい値になるためです。
【問題3】マクローリン展開と近似値の計算(応用問題)
(1)\(\small \sqrt{1+x}\)を\(\small x^3\)の項までマクローリン展開せよ。
(2)\(\small \sqrt{1.01}\)を小数第3位まで求めよ。
\(\small \displaystyle f(x)=\sqrt{1+x}\)とおく。
\begin{split}
&\small \displaystyle f^{(1)}(x)=\frac{1}{2}(1+x)^{-\frac{1}{2}}\\
&\small \displaystyle f^{(2)}(x)=-\frac{1}{4}(1+x)^{-\frac{3}{2}}\\
&\small \displaystyle f^{(3)}(x)=\frac{3}{8}(1+x)^{-\frac{5}{2}}\\
\end{split}
となることから、
\begin{split}
&\small \displaystyle f^{(1)}(0)=\frac{1}{2}\\
&\small \displaystyle f^{(2)}(0)=-\frac{1}{4}\\
&\small \displaystyle f^{(3)}(0)=\frac{3}{8}\\
\end{split}
よって、マクローリン展開は
\begin{split}
\small \sqrt{1+x} &\small \displaystyle \space ≒f(0)+f^{(1)}(0)x+\frac{f^{(2)}(0)}{2!}x^2+\frac{f^{(3)}(0)}{3!}x^3\\
&\small \displaystyle =1+\frac{1}{2}x-\frac{1}{2!}\frac{1}{4}x^2+\frac{1}{3!}\frac{3}{8}x^3\\
&\small \displaystyle =\color{red}{1+\frac{1}{2}x-\frac{1}{8}x^2+\frac{1}{16}x^3\quad \cdots 【答】}\\
\end{split}
\(\small \sqrt{1.01}=\sqrt{1+0.01}\)と考えると、\(\small \sqrt{1+x}\)で\(\small x=0.01\)のときの値を求めればよいことになります。
\(\small x=0.01\)は\(\small x\)が0に近い値と見なせるので、(1)のマクローリン展開の式に代入することで求めることができます。
なお、\(\small (0.01)^3=0.000001\)となり今回は小数第3位までの精度でよいことから、\(\small x^3\)の項である\(\small \displaystyle \frac{1}{16}\cdot (0.01)^3\)は無視して大丈夫です。
よって、
\begin{split}
\small \sqrt{1+0.01} &\small \displaystyle \space ≒1+\frac{1}{2}\cdot (0.01)-\frac{1}{8}\cdot (0.01)^2\\
&\small \displaystyle =1+0.005-0.0000125\\
&\small \displaystyle =1.0049975\\
&\small \displaystyle ≒\color{red}{1.005 \quad \cdots 【答】}\\
\end{split}
【最後に】マクローリン展開を学ぶ意味|大学数学や物理へのつながり
今回はマクローリン展開について、高校数学でも理解できる範囲で解説してみました。
マクローリン展開は、関数を多項式の形で表現するというシンプルな考え方ですが、この変形を利用することで、微分方程式や複雑な積分、極限計算、数値計算などができるようになります。
特に大学の物理学では、単振り子の分野で「振れ幅の角度\(\small \theta\)が微小なとき」という条件の下で\(\small \sin\theta ≒ \theta \)と近似することで、微分方程式が簡単に解けるようになり、振り子の運動を記述することができたりします。
ぜひ「公式暗記」だけで終わらず、なぜ多項式で近似できるのかという考え方まで理解してみてください。
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