底の変換公式の覚え方・使い方|対数計算での底の決め方をわかりやすく解説

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今回は対数の計算において重要公式となる底の変換公式について解説します。
公式自体は覚えたものの、「底は何に揃えればいいの?」「計算がうまくいかない…」と悩んでいませんか?

底の変換公式は、使い方底の選び方を理解するだけで、計算のスピードと正確さが一気に上がる重要公式です。

この記事では、底の変換公式の覚え方と計算が楽になる底の決め方を具体例とともに分かりやすく解説します。
対数が苦手な人はもちろん、定期テストや入試で確実に得点したい人にも役立つ内容になっているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

著者情報
hiroemon
hiroemon
数学教育アドバイザー
学校の授業では教えてくれない「数学の考え方」をわかりやすく解説。少しでも数学の疑問を解決する手助けとなるような情報を発信しています。
実績 大学院を主席で卒業(MARCHレベル)
塾講師歴 6年
資格 中学・高校教員免許保持
数学 / 理科(物理・化学・生物・地学)
出身 千葉県
趣味
#ボルダリング #ラーメン巡り
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底の変換公式とは|覚え方と使い方を完全解説

底の変換公式とは

まずはじめに、底の変換公式について確認しておきましょう。

底の変換公式
\(\small a,b,c\)が正の数で、\(\small a \neq 1\), \(\small c \neq 1\)のとき
$$\small \color{#ff0055}{\log_a b = \frac{\log_c b}{\log_c a}}$$
が成り立つ。

底の変換公式で注目すべき点はたった一つです。それは、\(\small \log\)の底 \(\small a\)から\(\small c\)に変わっているということです。

ここが一番重要で、左辺は\(\small \log_\color{red}a\)のように、底が\(\small \color{red}a\)なのに対して、右辺は\(\small \log_\color{red}c\)のように、底が\(\small \color{red}c\)に変わっています。公式を覚えるのが苦手な人は、まずは底が変わっているという部分だけでもよいので覚えるようにしましょう。

【補足】\(\small a,b,c\)が満たす条件について

公式の最初にさりげなく書いてある、\(\small a,b,c\)が満たすべき条件の意味についても解説しておきます。

まず、『\(\small a,b,c\)が正の数』というのは、\(\small a,b,c\)がマイナスや0にならないということです。これは具体的には、\(\small \log_2(-4)\)や\(\small \log_{-2} 0\)のように、対数の底や真数に正の数以外の数が出てくることはないことからも条件として必要なことが分かると思います。

次に、『\(\small a \neq 1\), \(\small c \neq 1\)』は、『底が1以外』という条件です。対数 \(\small \log_a M\)の意味は、\(\small a\)を何乗したら\(\small M\)になるかを表す数でしたが、底 \(\small a\)が1の場合、を何乗したら\(\small M\)になるかを表す数となりますが、1は何乗しても計算結果は1なので、そもそも「何乗」という部分を1つに決めることができません。そのため、対数を定義できないので底は1以外と決められています。

底の変換公式の覚え方(裏ワザあり)

底の変換公式は底や真数に\(\small a,b,c\)が散らばっているため、どこがどこだが曖昧になり公式を間違ってしまうミスがよくあります。ここでは、底の変換公式を覚える裏技を紹介します。

Point:底の変換公式の裏ワザ的覚え方
新たな底で分数を作り、底は下(そこ)真数は上に持っていく!

底の変換公式はその名の通り「底」を変える公式なので、好きな底(公式だと\(\small c\))に変更します。あとは真数がどうなるかですが、もともと(\(\small a\))にあった数字は「そこ」のイメージで分母側に持ってくると覚えておけば、残りの真数(\(\small b\))は分母側だと覚えるのが一番忘れにくいと思います。

底の変換公式の使い方(例題あり)

公式を覚えたら、例題を通して実際の使い方を確認してみましょう。

例題
難易度:☆☆☆
\(\small \log_8 16\)の値を求めよ。

一見すると単純に対数の定義から値を求める問題に見えますが、対数の定義に従って翻訳すると『8を何乗したら16になるか』となり、そのような数は直感的には分かりません

CHECK:対数の定義 対数 \(\small \log_a M\)の翻訳方法(定義)を再確認しておきたい人は、こちらの記事をチェックしておきましょう。
【数Ⅱ】対数とは?意味・公式・計算方法をわかりやすく解説

このような場合は底を考えやすい数に変換してあげることで求めることができます。

今回の対数は底の8も真数の16もどちらも\(\small 2^●\)という形で表せる数です。言い換えると2が共通の底となっています。なので、底の変換公式を使って底を2に揃えると

\begin{split}
\small \log_8 16 &\small = \frac{\log_2 16}{\log_2 8} \space \color{#ff0055}{◀底の変換公式}\\
&\small =\color{red}{\frac{4}{3} \space \cdots 【答】}\\
\end{split}

と求めることができます。

Point
底と真数に共通する底がある場合は、共通する底を新たな底として底の変換公式を適用せよ!

底の決め方

底の変換公式を使う上で一つ悩む箇所があるとすれば、それは「底を何に変換するか」だと思います。でもどの底に揃えるかの判断基準は非常にシンプルです。

Point:底の決め方
異なる底の四則演算では、すべての底を一番小さい底に合わせろ!

底が異なる計算問題になるとどの底に揃えればよいかわからないという人は、この判断基準を意識するだけで驚くほど簡単に計算できるようになります。問題編で実際に確認してみましょう。

どんな問題で使う?底の変換公式の使いどころ

底の変換公式を使う場面は大きく2つです。

底の変換公式はいつ使う?
・底と真数に共通する底があるとき
底が異なる四則計算をするとき

1点目は、前章の例題のように対数の定義からは直感的に判断できないような対数の値を求めるときに使います。

2点目は、底が異なる対数同士の足し算、引き算、かけ算、割り算をするときです。底の変換公式は、底を変換したいときに使う公式です。そして対数の計算をするにはお互いの底が同じである必要があります。そのため、底が異なる場合は底が一緒になるように底を変換してあげるとうまく計算することができます。

具体的な問題については、問題編で詳しく解説していきます。

【問題編】底の変換公式を使った対数計算

基礎問題|底を揃えて値を求める問題

基礎問題
難易度:☆☆☆
\(\small \log_{25} \sqrt{125}\)の値を求めよ。
解法のPoint
対数の定義から直感的に求められない場合は、底と真数に共通する底に変換せよ。
 解説

底の\(\small 25=5^2\)と真数の\(\small 125=5^3\)に共通する底である5に変換して考えます。

底の変換公式を使って底を5に変換すると

\begin{split}
\small \log_{25}\sqrt{125} &\small =\frac{\log_5 \sqrt{125}}{\log_5 25}\\
&\small =\frac{\log_5 (125)^{\frac{1}{2}}}{\log_5 5^2}\\
&\small =\frac{\log_5 5^{\frac{3}{2}}}{\log_5 5^2} \quad [*1]\\
&\small \displaystyle =\frac{\dfrac{3}{2}}{2} \quad [*2]\\
&\small = \color{red}{\frac{3}{4} \space \cdots 【答】}\\
\end{split}

*1:補足
指数法則 \(\small (a^m)^n=a^{mn}\)を用いて、\(\small (125)^{\frac{1}{2}}=(5^3)^{\frac{1}{2}}=5^{\frac{3}{2}}\)と計算。
*2:補足
対数の公式 \(\small \log_a M^n = n\log_a M\)、\(\small \log_a a=1\)(底と真数が同じ)を利用。

標準問題|底を揃える計算問題

標準問題
難易度:★★☆☆
次の計算をせよ。
(1)\(\small \log_2 24 -\log_4 36\)
(2)\(\small \log_2 3 \cdot \log_3 8\)
(3)\(\small \displaystyle \frac{\log_3 2}{\log_9 64}\)
解法のPoint
異なる底を含む対数計算は、底の変換公式を使って一番小さい底に揃えるのがポイント!
 解説(1)

一番小さい底である2に揃えるために、2項目に底の変換公式を使うと

\begin{split}
\small \log_2 24 -\color{#ff0055}{\log_4 36} &\small = \log_2 24 -\color{#ff0055}{\frac{\log_2 36}{\log_2 4}}\\
&\small = \log_2 24 -\frac{1}{2}\log_2 36\\
&\small = \log_2 24 -\log_2 (36)^{\frac{1}{2}}\\
&\small = \log_2 24 -\log_2 \sqrt{36}\\
&\small = \log_2 24 -\log_2 6\\
&\small = \log_2 \frac{24}{6} \quad [*1]\\
&\small = \log_2 4\\
&\small = \color{red}{2 \space \cdots 【答】}\\
\end{split}

*1:補足
対数の公式 \(\small \displaystyle \log_a M-\log_aN=\log_a\frac{M}{N}\)を利用。
 解説(2)

一番小さい底である2に揃えるために、\(\small \log_3 8\)に底の変換公式を使うと

\begin{split}
\small \log_2 3 \cdot \color{#ff0055}{\log_3 8} &\small = \log_2 3 \cdot \color{#ff0055}{\frac{\log_2 8}{\log_2 3}}\\
&\small = \log_2 8\\
&\small = \color{red}{3 \space \cdots 【答】}\\
\end{split}

 解説(3)

一番小さい底である3に揃えるために、\(\small \log_9 64\)に底の変換公式を使うと

\begin{split}
\small \displaystyle \frac{\log_3 2}{\color{#ff0055}{\log_9 64}} &\small \displaystyle = \frac{\log_3 2}{\color{#ff0055}{\dfrac{\log_3 64}{\log_3 9}}}\\
&\small = \log_3 2 \cdot \frac{\log_3 9}{\log_3 64}\\
&\small = \log_3 2 \cdot \frac{2}{\log_3 2^8}\\
&\small = \log_3 2 \cdot \frac{2}{8\log_3 2} \quad [*1]\\
&\small \displaystyle= \color{red}{\frac{1}{4} \space \cdots 【答】}\\
\end{split}

*1:補足
対数の公式 \(\small \displaystyle \log_a M^n=n\log_a M\)を利用。

応用問題|底を揃える複雑な計算問題

応用問題
難易度:★★★
次の計算をせよ。
(1)\(\small \log_2 10 \cdot \log_5 10-(\log_2 5+\log_5 2)\)
(2)\(\small (\log_5 3 + \log_{25} 9)(\log_9 5 -\log_3 25)\) [(2)東洋大]
解法のPoint
底を1つに揃えて計算しましょう。本問は、実は最小の底に揃えなくても計算自体はできるのですが、標準問題でも解説した通り、最小の底に揃えた方が計算しやすいことが多いので、どの底に揃えるべきか迷うようであれば最小の底に揃える方針でよいでしょう。
 解説(1)

まずは対数の底を一番小さい底である2に揃えます。

底の変換公式より、

\begin{split}
\small \displaystyle \log_5 10 &\small = \frac{\log_2 10}{\log_2 5}\\
\end{split}

\begin{split}
\small \displaystyle \log_5 2 &\small = \frac{\log_2 2}{\log_2 5}\\
&\small = \frac{1}{\log_2 5}\\
\end{split}

よって、問題の式は

\begin{split}
&\small \log_2 10 \cdot \log_5 10 -(\log_25 +\log_5 2)\\
&\small \displaystyle =\frac{(\log_2 10)^2}{\log_2 5} -\left(\log_25 +\frac{1}{\log_2 5}\right)\\
&\small \displaystyle =\frac{(\log_2 (2\cdot 5))^2}{\log_2 5} -\left(\log_25 +\frac{1}{\log_2 5}\right)\quad [*1]\\
&\small \displaystyle =\frac{(\log_2 5+\log_2 2)^2}{\log_2 5} -\left(\log_25 +\frac{1}{\log_2 5}\right)\\
&\small \displaystyle =\frac{(\log_2 5+1)^2}{\log_2 5} -\left(\log_25 +\frac{1}{\log_2 5}\right)\\
&\small \displaystyle =\frac{(\log_2 5)^2+2\log_2 5+1}{\log_2 5} -\left(\log_25 +\frac{1}{\log_2 5}\right) \quad [*2]\\
&\small \displaystyle =\log_2 5+2+\frac{1}{\log_2 5} -\left(\log_25 +\frac{1}{\log_2 5}\right)\\
&\small =\color{red}{2 \space \cdots 【答】}
\end{split}

*1:【補足】\(\small \log_2 10\)の分解
第2項目に\(\small \log_2 5\)があることから、\(\small \log_2 10\)を対数の公式 \(\small \log_a MN = \log_aM+\log_aN\)を利用して分解しています。
*2:【補足】\(\small (\log_2 5)^2\)について
展開公式 \(\small (a+b)^2=a^2+2ab+b^2\)で展開する場合など、対数の2乗を計算するときは、\(\small (\log_2 5)^2\)のように括弧を付けることに注意しよう。\(\small \log_2 5^2\)とするのはNGです。
理由は、\(\small \log_2 5^2\)だと真数部分だけ2乗するという意味になり、対数全体の2乗にならないからです。
 解説(2)

底の変換公式を利用して、対数の底を一番小さい底である\(\small 3\)に揃えて式変形すると

\begin{split}
\small (与式)&\small \displaystyle =\left(\frac{\log_3 3}{\log_3 5}+\frac{\log_3 9}{\log_3 25}\right)\left(\frac{\log_3 5}{\log_3 9}-\frac{\log_3 25}{\log_3 3}\right)\\
&\small \displaystyle =\left(\frac{1}{\log_3 5}+\frac{2}{\log_3 5^2}\right)\left(\frac{\log_3 5}{2}-\log_3 5^2\right)\\
&\small \displaystyle =\left(\frac{1}{\log_3 5}+\frac{2}{2\log_3 5}\right)\left(\frac{\log_3 5}{2}-2\log_3 5\right)\\
&\small \displaystyle =\frac{2}{\log_3 5}\cdot \left(-\frac{3\log_3 5}{2}\right) \quad [*1]\\
&\small =\color{red}{-3 \space \cdots 【答】}
\end{split}

*1:補足

$$\small \displaystyle \frac{\log_3 5}{2}-2\log_3 5$$
の計算に躓いた人向けの補足です。
底と真数が同じ対数の計算は、文字式の計算と同様に係数部分を足し引きして計算できます。最初慣れないうちは、\(\small x=\log_35\)のように文字で置き換えてしまって
\begin{split}
\small \frac{x}{2}-2x= -\frac{3x}{2}
\end{split}
のように計算してから\(\small x\)を対数に戻すとイメージが湧きやすいでしょう。

本記事のまとめ

今回は底の変換公式の意味や底の決め方、どのような問題で使うかと問題演習を通して使い方まで徹底解説してみました。どんなに複雑な問題でも、底が異なる場合は最小の底に揃えて計算するという指針さえ覚えておけば解くことができるので、類題演習を通して同じ考え方で解けことを確認しておきましょう。

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底の変換公式を使った他の問題については、こちらもチェック!

今回は以上です。お疲れさまでした!

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