【軌跡】もう迷わない!軌跡の問題を解く基本の3ステップ【図形と方程式】

今日は軌跡の求め方を解説していきます。「軌跡の問題はいつも手が止まってしまう…」、「どんな問題でも使える考え方ってないの?」という悩みに答える記事になっているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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1. 軌跡とは

辞書を引くと、”幾何学で、与えられた条件のすべてを満たす点の集まりが作る図形”と出てきます。ちょっと難解ですが言い換えるならば軌跡とは条件を満たす点の集合です。なので、「点」「条件」に着目することが大事になります。

2. 軌跡を求めるための3step

軌跡が苦手という人は、次の3stepを覚えれば、基本的な問題は解けるようになると思います。

 奇跡の求め方 ~基本の3step~

STEP1
求める点を\(\small (X,Y)\)とおく
STEP2
動く点と条件をパラメータ化する
STEP3
パラメータを消去して、\(\small X,Y\)だけの式にする

3. 基本の3stepを活用した解き方解説

では、具体的な問題を通して基本の3stepの使い方を見ていきましょう。

例題1

点\(\small K(x,y)\)が\(\small x^2+y^2=2\) 上を動くとき、\(\small L(2x+y+1,-x+2y-1)\)の軌跡を求めよ。
解答

上の基本stepにあてはめて解いていきましょう。
★step1:求める点を\(\small (X,Y)\)とおく。
今回求めるのは点\(L\) なので、\(\small X=2x+y+1\)、\(\small Y=-x+2y-1\) とおきます。

★step2:動く点と条件をパラメータ化する。
軌跡の問題では、ある点がある条件を満たすとき、どんな軌跡なるのかということが問われるので、今回の場合で言うと動く点が\(\small K(x,y)\) 、条件が\(\small x^2+y^2=2\) になります。パラメータで表すと聞くと、難しく感じるかもしれませんが、大体は動くものをパラメータでおけは良いです。今回だと点\(\small K\)を\(\small K(s,t)\)と置けばOK。点\(\small K\)は、\(\small x^2+y^2=2\) 上の点(つまり、この関係式を満たす)なので、\(\small s^2+t^2=2\) のように、条件式もパラメータで表せます。また、点\(\small K\)の座標\(\small x,y\)を\(\small s,t\)で置き換えたので、点\(\small L\)についても、step1の結果から、\(\small X=2s+t+1\)、\(\small Y=-s+2t-1\)としておきます。

★step3:パラメータを消去して、\(\small X,Y\)だけの式にする。
step2までの結果を整理すると、\(\small X=2s+t+1\)\(\cdots\)①、\(\small Y=-s+2t-1\)\(\cdots\)② 、\(\small s^2+t^2=2\)です。step3では\(\small s,t\)(パラメータ)を消去して、\(\small X,Y\)だけの式で表せばよいことになります。なので、①、②を\(\small s,t\)について解いて、\(\small s^2+t^2=2\)に代入すればよさそうですね。
①+②×2より、
\(\small X+2Y=5t-1\)
∴\(\small t=\frac{X+2Y+1}{5}\space\cdots\)③
③を①に代入して、
\(\small X=2s+\frac{X+2Y+1}{5}+1\)
\(\small 5X=10s+X+2Y+1+5\)
\(\small 10s=4X-2Y-6\)
∴\(\small s=\frac{2X-Y-3}{5}\space\cdots\)④
あとは③、④を\(\small s^2+t^2=2\)に代入すると
\(\small (\frac{2X-Y-3}{5})^2 + (\frac{X+2Y+1}{5})^2=2\)
\(\small (2X-Y-3)^2+(X+2Y+1)^2=50\)
\(\small 4X^2+Y^2+9-4XY+6Y-12X+X^2+4Y^2+1+4XY+4Y+2X=50\)
\(\small 5X^2+5Y^2-10X+10Y=40\)
\(\small X^2+Y^2-2X+2Y=8\)
\(\small (X-1)^2+(Y+1)^2=10\)
よって
\(\small (x-1)^2+(y+1)^2=10\space\cdots\)(答)

補足 なんで\(\small X,Y\)を(\(\small x,y)\)で置き換えるの?

例題1では、一旦、条件を満たすどこか特定の1点を\(\small X,Y\)と置いています。ただ、条件を満たす点は無数にあるので、これらの点をすべて表すことができるように、特定の点(\(\small X,Y\))ではなくて変数(\(\small x,y\))に置き換えてあげるのです。

例題2

点\(\small P(x,y)\)が\(\small y=x^2-5\) 上を動くとき、点\(\small A(1,0)\)と点\(\small P(x,y)\)の中点の軌跡を求めよ。

解答

★step1
求める点は中点なので、中点の座標を\(\small M(X,Y)\)とおく。
★step2
動く点\(\small P(x,y)\)を\(\small P(s,t)\)とおくと、\(\small t=s^2-5\space\cdots\)① が成り立つ。
★step3
点\(\small P\)と点\(\small A\)の中点は、 \(\small (\frac{s+1}{2},\frac{t}{2})\) であり、これがまさしく中点\(\small M\)なので、step1で\(\small M(X,Y)\)とおいたことを思い出すと、
\(\small X = \frac{s+1}{2}\space\cdots\)②
\(\small Y = \frac{t}{2}\space\cdots\)③
②、③を\(\small s,t\)について解くと、
\(\small s = 2X-1\space\cdots\)④
\(\small t = 2Y\space\cdots\)⑤
④、⑤を①に代入すると、
\(\small 2Y = (2X-1)^2-5\)
\(\small 2Y = 4X^2-4X+1-5\)
\(\small Y = 2X^2-2X-2\)
\(\small y = 2x^2-2X-2\space\cdots\)(答)

おまけ問題

\(\small xy\)平面上で、点(1,1)からの距離が2である点を点Pとするとき、点Pの軌跡を求めよ。

解答

複雑に書いていますが、一点から等距離にある点の集合は円なので、要は点Pというのは中心が(1,1)の半径2の円を表しています。よって答えは、
$$\small (x-1)^2 + (y-1)^2 = 4$$ です。もちろんこのように、知識から解いてもよいのですが、最初に紹介した3stepを使って解いてみましょう。
まず、求める点Pを(\\small (X,Y)\)とおきます。次に動く点ですが、今回の場合は動くのも点\(P\)ですね。では、条件はどれでしょうか?文章中の「点(1,1)からの距離が2である点」が該当します。この文章を条件式として表すことを考えます。ちょっと難しいですが、下の図のように中心をC(1,1)とおいて△CPHを考えると、三平方の定理が使えて、
$$\small \rm CH^2+HP^2=CP^2$$

これが、条件式になります。点\(\small P(s,t)\)としてパラメータとしてあらわすならば、 \(\small X = s\)、\(\small Y = t\space\cdots\)①。
また、図から、CH = \(\small |s-1|\)、HP = \(\small |t-1|\)、CP = 2 (点C(1,1)からの距離が2の点をPとしている)なので、条件式に代入して $$\small (s-1)^2+(t-1)^2=4$$ となります。あとは、①から $$\small (X-1)^2+(Y-1)^2=4$$ なので、\(\small X,Y\)を変数化してあげれば(\(\small x,y\)で置き換える)、最初の円の式になります。
\(\small (x-1)^2 + (y-1)^2 = 4\space\cdots\)(答)
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